今の日本では、小学生の間で囲碁がブームになっています。
「頭が良くなる」そんなキャッチコピーと共に人気を博している囲碁ですが、魅力はそれだけではありません。
そこでこの記事では、「囲碁がブームとなっている背景」「気になるプロ棋士の年収」「小学生がプロ棋士になる方法」などを中心に紹介していきます。
目次
仲邑菫ちゃんが起こした囲碁ブーム
これまで習い事としてあまり日の目を見ることのなかった囲碁ですが、「仲邑菫ちゃんという女の子が9歳でプロ入りした」という衝撃のニュースと共に、一気に注目を浴び始めました。
さらに、教育雑誌で「囲碁は頭がよくなる」と紹介されて以降、「囲碁=知育」の概念が全国的に広まり、習い事としての人気に火がついたのです。
新宿こども囲碁教室では現在、200人以上の子供たちが囲碁を習っています。なんと、その中でも70~90人ほどの子供は未就学児だというのですから驚きです。
中には仲邑菫ちゃんの影響を受けたという子供もいるでしょう。そういった意味だと、この囲碁ブームの立役者は仲邑菫ちゃんだといっても過言ではありませんね。
また、囲碁が習い事として広く周知されるようになった背景には、「渡辺和代キッズカップ囲碁大会」の誕生も大きいです。
実はこの大会には、仲邑菫ちゃんも出場しており、1度敗北を味わっています。敗北したといえど、幼い年齢でありながら3位にまで昇り詰めています。そしてこの敗北が、仲邑菫ちゃんの負けん気根性に火をつけたのでした。
なんと、仲邑菫ちゃんはこれまで4時間であった囲碁の勉強時間を、悔しさから7時間に延ばしたのです。翌年、幼稚園年長という幼さで優勝を果たしたのでした。
それ以降も、7時間に及ぶ囲碁の勉強はずっと続けられているのだそうです。「彼女は天才だ」と多方面で称される仲邑菫ちゃんですが、それは努力に裏付けされた実力だったんですね。
さらに、現代はインターネットの普及により、どこにいても囲碁の情報を得られることができ、24時間対局が可能となっています。AIソフトも導入され、”架空の相手”も強くなる一方。脅威であるといわれる人工知能ですが、日本囲碁界の礎となっていることは明白です。
アプリで簡単に練習もできる
さきほども紹介した通り、現在では24時間、色々な人との対局ができるようになっています。
たとえば、日本棋院認定アプリの「囲碁アイランド1」が有名です。このアプリは教室の先生も勧めるほどの実用性を兼ね備えており、初心者にもおすすめできます。
また、「囲碁クエスト」も人気アプリの1つです。囲碁クエストを利用すれば、友達同士でもネット上で対局が可能。もちもん、AIとの対局も楽しめます。
ネットでも対局となると構えてしまいますが、同じ級同士での対局を設定してくれるので安心してプレイできます。友達と遊んだり、架空の相手と対局したり、色々な楽しみ方ができるんですね。
級・段を上げるためには「どれだけ多くの対局を積めるか」がポイントになってくるため、「囲碁アイランド1」「囲碁クエスト」はレベルアップのための重要なアイテムの1つになります。
囲碁が知育になる理由
囲碁が知育になる、具体的な理由をご存知でしょうか。
知育になる理由、それは囲碁をすることによって鍛えられる「空間理論展開」という思考能力が関係しています。
空間理論展開を端的に言うと「頭の中で様々な情報を処理し、整理したうえで推理する思考能力」です。囲碁の世界では、「先手を打つ」ともいいます。
左脳の論理能力、右脳の情報処理能力を使ことによって、空間理論展開を行っていきます。
「囲碁が知育になる」というのは、こういった事実に裏付けされたものだったのです。
「飛ぶように売れた」藤井さん(現7段)のおもちゃ
最年少連勝記録を樹立した藤井さんが、子供のころによく遊んでいたというおもちゃが今、飛ぶように売れているそうです。
やはり現代において、知育に力をいれない親はいないのかもしれませんね。
特に、小学校低学年から高学年にかけては、受験も控えた貴重な時期です。「子供に何を学ばせるか」というのは非常に重要なことなのでしょう。
今の時代、知育に敏感な親が選ぶのがズバリ囲碁です。野球やサッカーといったスポーツ系との両立として囲碁を選ぶのもおすすめですよ。
プロ棋士はいくら稼いでいるのか
「プロ棋士はどのくらい稼いでいるんだろう?」そんな疑問を持つ人もいるでしょう。
お金に関することですが、汚い話ではありません。子供の将来に関わる大事な話です。
そこで、プロ棋士の年収を紹介していきます。
メインの収入となるのが「対局料」です。公式のトーナメントでは、1回戦はいくら、2回戦はいくら、というように対局料が決まっており、対戦するだけでもらえる収入になります。勝ち上がるほど対局料は上がっていくので、強くなるほどもらえる額も大きくなっていきます。
そのほかには、タイトル料があります。優勝すれば数百万円の優勝賞金を手にすることができます。これはほんの一握りのトップ囲碁棋士になった場合です。例えば、トッププロ棋士である藤沢里菜女流本因坊さんは2018年の賞金で2189万円を獲得しています(優勝賞金や対局料を含めた額)。
仮に、出場するトーナメント全てで1回戦負けなどの場合ですと、わずかな対局料だけとなりますので、年収数十万円ほどになります。
また、対局のほかにも、自分のサロンや教室を立ち上げたり、指導料や講演料などを得て、収入を増やすことも可能です。
囲碁が知育として注目される昨今、囲碁の道を目指すという環境もよくなりつつあるのではないでしょうか。
プロ棋士になる方法
それでは、実際にプロ棋士になるには、どのような方法があるのでしょうか。
以下にて、プロ棋士になるいくつかのパターンを紹介していきます。
プロ棋士に弟子入りする
まず一つに、プロ棋士に弟子入りするというやり方があります。
弟子入りするというのは、すごくシンプルなもので、プロ棋士の家に住み込みで修行するというものです。
東京や大阪に家を構えるプロ棋士が多いので、地方からくる場合は養育費、居住費、食費など、プロ棋士との取り決めたえで、住まわせてもらうのです。
プロ棋士に弟子入りする条件は、主に下記の2つになります。
・プロ棋士の目を引くほどの強さがあること
・小学生以下が理想
どれだけプロになりたいという意思が強くても、強さがなければいけません。たとえば、「小学生で全国大会に出場し、十分に健闘するレベル」が最低ラインくらいではないでしょうか。
院生になる
院生になるというのもプロになる王道パターンの1つです。
ただし、院生は「東京」「大阪」を拠点としているので、地方に住んでいる人からすれば、それだけで不利になります。
これに限っては、親の協力なくしてはどうすることもができません。もし、親戚や親の実家が東京、または大阪にあるということであれば、一気に現実味が増します。
親戚や実家が地方にしかないということであれば、他の方法でプロを目指しましょう。
外来でのプロ試験に合格
外来でプロ試験に合格するというのは、自力で強くなりプロ試験を突破するということです。
外来で試験を受ける方法は公開されていませんので、日本棋院に電話で聞いてみましょう。一番、近い道のりを教えてくれはずです。
しかし、まずはプロになるための土俵に立つ必要があります。具体的には、「野狐囲碁9段」くらいの実績が必要であるといわれています。
手っ取り早い方法として、日本棋院が主催する小学生の大会に出場し、結果をだすという方法が近いかもしれません。
大会で結果をだすことで、日本棋院から直接「プロにならないか?」というお達しがくる可能性があります。しかし、これはあくまで方法の1つであって、確実にプロになるための方法ではありません。
まずは、対局で経験を積み、いっぱしの実力を付けることが大事です。囲碁での努力は嘘をつきませんから、ぜひ囲碁の勉強に時間を費やし、プロの道を目指していきましょう。
女流棋士は男性より目指しやすい
男性がプロを目指す場合、試験で結果をだすことが絶対条件ですが、女性には「女流特別枠」があります。女性の場合はここを目指すのが一般的です。
日本棋院側も一定の女流棋士を育てるために特別枠をつくっています。囲碁が好きな小学生の女の子は、積極的に狙ってみてはいかがでしょうか。
小学生の間で大流行の囲碁・まとめ
この記事では、小学生の間で囲碁が流行している背景や、プロになる方法などについて紹介してきました。
知育として注目されている囲碁ですが、子供がハマることでプロの道も見えてきます。可能性としては決して高いものではありませんが、まず囲碁に触れてみないことには始まりません。
まずは知育の一環として、囲碁教室に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
それに、囲碁を覚えれば一生楽しめる趣味にもなりますし、おじいちゃんおばあちゃんとのコミュニケーションツールにもなります。ぜひ、囲碁の楽しさに触れてみてください。