囲碁教室は教室数も少なくまだ人気の習い事とまではなっていませんが、実は通うことで多くのことを学ぶことができます。
囲碁は大人が楽しむイメージがありますが、年齢に関係なく子供でも十分にルールを理解して楽しむことが可能です。
むしろ子供はゲーム感覚で楽しむことができるでしょう。
子供が囲碁に興味を持ち始めたら、囲碁教室で本格的に囲碁を学ぶのもおすすめです。
囲碁教室に通うことでどんなことが得られるのかをまとめました。
目次
囲碁教室で精神力や考える力を鍛えることができる
囲碁教室に通うことで得られる最も大きなメリットは、精神力が鍛えられる点です。
囲碁の対局では、常に集中して戦い方を考えなければなりません。
対局は長時間となることも多く、集中力をずっと維持し続けなければならないことも囲碁の特徴です。
このような長時間の対局によって集中力が身に付き、今後の学校生活で勉強やスポーツに活かすことができます。
対局中は自分の次の一手だけでなく、相手がどんな戦略でくるか常に先読みしながら戦い続けなければならず、これによって相手の考えを読み取る力を身につけることができます。
これは人間関係においてもたいへん役立つ力で、相手の考えを尊重し行動できる人になるためには必要不可欠と言えます。
囲碁だけに限りませんが、勝負に負けた、勝ったという経験によって精神力が鍛えられます。
特に負けたときに感じる悔しさやもどかしさは、人間が成長する材料となるでしょう。
逆に、勝負に勝つ経験を重ねていくことは自分の自信へとつながります。
また、囲碁をすることで脳が刺激されるというデータもあります。
囲碁をしている高齢者はボケにくいとも言われていることから、脳に大きな刺激があることが分かります。
特に、囲碁は脳の前頭葉に大きな刺激を与えると言われており、これによって我慢強さや考える力、コミュニケーション力、理性など実にたくさんのことが身に付きます。
このようにたくさんの力が身につくのは囲碁ならではのメリットですので、子供が小さいうちから囲碁教室に通うことに損はないはずです。
将来どんな仕事に就くにしても、囲碁で身につけた精神力は必ず役に立つでしょう。
具体的に囲碁教室に通い始める年齢は、小学校の中学年頃が良いとされています。
年齢でいうと10歳前後になります。
囲碁は低年齢から楽しむことができますが、囲碁教室に通うとなると話は別です。
長時間集中して座っていられる、落ち着いて話を聞けることが囲碁教室に通える最低条件となるため、ある程度大きくなってから囲碁教室に通い始めると良いでしょう。
囲碁教室で目上の人への接し方も学べる
囲碁教室に通うことで、幅広い年齢の人と関わる機会が増えます。
囲碁は主に大人が中心となって行われているため、ほとんどが年上の人という環境が珍しくありません。このような環境にいることで、自然と目上の人への正しい接し方を身につけることができます。
また、囲碁教室では囲碁を学ぶだけでなく礼儀作法の習得にも力を入れていることが特徴です。
対局前後の挨拶をしっかりとすることや会話は敬語を使うなど、基本的な礼儀を大切にしています。
子供のうちから礼儀作法を身につけておけば、社会に出てから抵抗なく目上の人に接することができます。
様々な人と関わる中でコミュニケーション能力も自然と身につくため、将来社会に出たときに有利になることは間違いありません。
コミュニケーション能力を活かして、より仕事しやすい環境を自分で切り開いていくことができるでしょう。
このような礼儀やコミュニケーション能力の向上は、幅広い年齢層と接する機会がある囲碁や将棋ならではのメリットです。
また、囲碁は幅広い年齢層が楽しめるため、家族みんなで対局を楽しめるのもメリットです。
おじいちゃんやおばあちゃん世代から孫世代まで一緒にできる趣味があることは、家族間のコミュニケーションにもたいへん役立つでしょう。
囲碁は年齢によって優劣がつかないため、子供だから大人には勝てないということもないのが面白いところです。
囲碁教室に通う頻度と1回あたりに掛かる時間
囲碁教室に通うことで多くのメリットが得られるのですが、レッスンにはある程度の長い時間が掛かるというデメリットもあります。
囲碁の1回のレッスン時間は2時間から3時間と、他の習い事と比較すると圧倒的に長くなってしまいます。
囲碁教室に通う頻度は週に2回から3回が平均ですが、より上達するために毎日レッスンを受ける人もいます。
このように長時間囲碁に向き合う時間が必要なため、他のことが疎かになってしまう恐れもあります。
例えば勉強の時間が削られて成績が落ちてしまった、友達と遊ぶ時間が少なくなりクラスで孤立してしまった、ということにもなりかねません。
もちろん逆に囲碁を通して気の合う友達ができるケースもあります。
通っている学校が違う場合でも、囲碁という共通点で友達になれることはたいへん嬉しいことです。
大人になってからも共通の趣味でつながっていられる存在になるかもしれません。
このように囲碁は時間を多く使うことが必要不可欠なため、囲碁教室に通うのであればどれくらいの時間を囲碁に使うかを事前にしっかりと決めておくべきでしょう。
ついつい夢中になって何時間も没頭してしまいがちなので、親が適切なブレーキをかけてあげる必要があります。
囲碁に熱中するあまり学校の勉強が疎かになることは避けたいものです。
囲碁は年に数回大会があり、勝ち進むことで全国大会に出場することもあります。
囲碁は子供の競技人口が少ないため、他の習い事よりも全国大会のハードルは低いと言えるでしょう。
囲碁は通信講座でも学ぶことができます。
通信講座は自分の好きな時間に自宅で囲碁を学べることや、家族みんなで学べるという特徴があります。
しかし、通信講座で囲碁の技術を上達することはできますが、礼儀作法やコミュニケーション能力を身につけることはできません。
あくまでも囲碁の技術を学ぶだけのツールですので、せっかく囲碁を始めるのであれば通信講座ではなく囲碁教室の方がメリットは多いと言えるでしょう。
囲碁教室は他の習い事と比較すると、月謝以外の費用があまり掛からないのも特徴です。
例えば音楽系の習い事であれば楽器代、スポーツ系の習い事であればユニフォームやスパイク代などが掛かります。
それに対して囲碁は、自宅に碁盤がなくてもパソコンさえあれば楽しむことができます。
もちろん自分専用の碁盤を買っても良いですが、自宅での練習はパソコンの囲碁ソフトでも十分です。
ちなみに、碁盤は買うとなると本格的なもので10万円程度しますが、碁盤を折りたたむタイプであれば1万円程度で購入可能です。
囲碁の普及のため囲碁教室が増えつつある
囲碁教室は、他の習い事と比較すると教室数が少ないことが難点です。
都市部から離れている場合、囲碁教室に通いたいと思っても近くに教室がないということもあり得ます。
しかし、ここ数年では、子供が囲碁を習うことができる機会が増えつつあります。
その背景には、日本の囲碁を総括する日本棋院の普及活動があります。
日本棋院では、全国の小学校、中学校、高校を対象として出張囲碁教室を開催しています。
囲碁と言っても内容は難しいものではなく、初心者用の碁盤を使うため楽しみながら囲碁を学べるでしょう。
囲碁は子供にとって身近な存在ではないため、このような出張囲碁教室ではじめて囲碁に触れる子供も少なくありません。
出張囲碁教室は、実際にプロの囲碁棋士から囲碁を教えてもらえる、たいへん貴重な機会と言えるでしょう。
また、授業内容として囲碁を取り入れている学校も増えつつあるのが現状です。
東京大学では10年以上前から授業に囲碁が取り入れられていますが、その後大学だけでなく小中学校や高校でもこの取り組みが進められています。
これは前述したように、囲碁を通して集中力やコミュニケーション能力など様々な力を身につけることができるためです。
学校教育にも積極的に取り入れられつつあることから、囲碁はより身近な存在になりつつあると言えるでしょう。
囲碁はスポーツと違って何歳になっても続けられる点が大きな魅力です。
ルールさえ覚えてしまえば、子供でも高齢者でも関係なく対局することができます。
そのため、囲碁は人生を豊かにする趣味と言っても過言ではないでしょう。
また、囲碁はアジアを中心として様々な国で普及しています。
そのため、囲碁を続けていく中で国際的な交流ができる可能性もあります。
このように、様々な年齢、様々な国の人と交流できることは人生において大きな財産となるはずです。