「子供が囲碁を始めたいと言うんだけど、何歳から通えるの?」
「囲碁教室って何を基準に選べばいいの?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、子供が囲碁教室に通う際に知っておくべきである情報を一挙にまとめました。
「囲碁をする際のメリット」「囲碁教室の選び方」などについて触れています。重要なことばかりですので、ぜひお付き合いください。
目次
子供を囲碁を始める際の適正年齢
子供が囲碁を始める際、適正とされる年齢は特に設けられていません。
3歳から始める子供もいますし、小学校にあがって徐々に始める子供もいます。
プロを目指すということであれば小学校低学年のうちに始めておきたいですが、知育や趣味の一環ということであればいつ始めても大丈夫です。
ただ、囲碁教室に通うのであれば、他の子供に迷惑をかけない対応ができる年齢になってからがよいです。1~4歳だと、イスに座ってジッとしていることも難しいので、お父さんお母さんが同伴して見学するくらいにしておきましょう。
ちなみに、プロ棋士となった仲邑菫さんは、3歳のころから囲碁のインストラクターであるお母さんから指導を受け、9歳でプロ入りしました。
プロ入り当時、世間でも大きなニュースになったほどです。異例中の異例ですので、あまり参考になりませんが、自宅で始める程度であれば3歳でも大丈夫だといえます。
囲碁に適正のある子供の性格
囲碁に適正のある子供とは、どのような性格の持ち主なのでしょうか。
囲碁は子供が持って生まれる「リズム感」「身体能力」などにあまり影響されません。そのため、適正とされる性格も特に無いということになります。
あえていうのであれば、囲碁が好き、囲碁を指すのが楽しい、といった子供は飲み込みが早いですし、適正があるといえるでしょう。
子供が囲碁をする3つのメリット
それでは、囲碁は子供にどういったメリットをもたらしてくれるのでしょうか。
以下にて、3つ紹介していきます。
囲碁を習うことで知育になる
「囲碁は頭が良くなる」世間的に、昔からよく言われていますよね。
では、具体的にどういう面が頭をよくしてくれるのでしょうか。
これには、空間理論展開という思考能力が大きく関係します。
空間理論展開を脳内で思考するとき、右脳左脳を下記のようにつかいます。
左脳……イメージ力と直観力
右脳……大量の情報を高速で処理する力
上記2つの力を同時に、幾度となく巡らせる思考。それこそが空間理論展開なのです。
「先手を読む」といいますが、将棋や囲碁においては、空間理論展開が先手を読むために必要な思考になります。
右脳と左脳を活発に使うため、空間理論展開力が鍛えられ、頭が良くなるということです。まさに、知育には持って来いであるといえます。
礼儀礼節ができるようになる
囲碁の習い事では、何に置いても礼儀作法が重要視されます。そのため、囲碁を打つ前の挨拶や相手への尊厳を忘れないことなど、相手を想う心が育まれるのです。
面と向かった挨拶ができるようになるというのは、当然のことです。しかし、まだ幼い子供には少々難しいです。
「礼儀正しく、しっかりとした挨拶ができるようになってほしい」というお父さんお母さんは多いと思います。囲碁を通して身につけてもらうというのはどうでしょうか。
忍耐力があり精神的に強くなる
囲碁はサッカーや野球のように、あちらこちらに動き回ったりすることがありません。しかし、対局中は絶えず思考し続け、脳に大量の汗をかきます。
一般的な子供の集中力は長時間は続かないと言われているので、20分、30分と囲碁に向かうというのは非常に忍耐が必要なことなのです。
戦況が厳しいときは精神的にも負担がかかるでしょう。
そのため、子供は対局を通して、「忍耐力」「精神力」がどんどん強くなっていくのです。さらに、個人に差はあるものの、算数の図形問題にも強くなるといわれています。
囲碁は頭が良くなるということ以外にも、様々な副次的効果があるのです。
囲碁教室に通う前に知っておきたい4つのこと
「囲碁の教室に通うときの月謝はいくら?」「囲碁の教室ってどう選べばいいの?」など、囲碁教室に通うとなると知っておきたいことも多いですよね。
以下では、囲碁教室に通う前に知っておきたいことを4つ紹介します。事前に知っておくべき情報をおさえておくことで、損を未然に防ぐことができます。ぜひ目を通しておいてください。
囲碁にかかる月謝
囲碁に通う際の月謝は教室により大きく異なります。先生の囲碁の経験年数や実績が違うためです。
平均的な月謝は、およそ1時間で1,000円ほどになります。お稽古の時間は、大体2時間から3時間になるので、1回でいうと2,000円から3,000円ほど。これは子供の料金体系になるので、大人はもう少し高くなります。
月謝の他には、囲碁大会への参加費もあるでしょう。公式大会は1回1,200円です。他に細かいものをいえば、会場へ向かう際の交通費、食費なども費用に含まれます。
全国大会ともなれば東京で開催されますので、交通費や滞在費も必要になります。ピアノやバレエほど大きな金額ではありませんが、子供の力の入れ具合によって、必要となる費用は異なってくるということです。
子供が囲碁を始めた際の親の負担
子供が囲碁を始めた際、親の負担になることについて考えてみましょう。下記をご覧ください。
・教室までの送迎
・大会への送り迎え
・大会や教室がお昼を挟む際はお弁当をつくる
メインとなる負担は上記の3点になります。送迎がほとんどなので、囲碁教室と家の距離がいかに重要であるかが分かりますね。子供が徒歩でいける距離感ならよいのですが、車を出さなければならないとなると大変です。毎日のように送迎することになるので、お父さんお母さんの負担も結構大きなものとなります。
また、最近はネットでの対戦も盛んに行われているので、子供が練習できるようにインターネットの設定をしてあげるのも親の役目です。
日本棋院が運営する「幽玄の間」は、学生だと月1,000円とお得。同じ教室の生徒同士でログインして対局することもできますし、世界のつわもの達を相手に対局することもできます。
ネット対戦ができる環境を用意しておけば、親の囲碁経験がなくても大丈夫。そもそも、全くの経験がないと親といえど相手になりません。
子供と一緒に上達していくというのもよいですが、まずはネット環境を用意し、子供がいつでも対局できる状態をつくってあげましょう。
囲碁教室のレッスンの内容
囲碁教室ではまず、基本の石の置き方を覚え、定石という基本の指し方を学んでいきます。
定石を覚えたら、他の子供や先生と対局し囲碁の楽しさに触れていきます。もちろん、挨拶も欠かしません。「挨拶が最も重要である」と説く先生も多いです。
正式な囲碁の大会では、19×19の格子で描かれた19路盤を使用します。しかし、子供や初心者には難しいため、9×9の9路盤を使用し練習を積んでいきます。
普段のレッスンにおいて、どのような練習に重きをおくかは先生によって異なりますが、大枠として行っていることには大差ないです。
たとえば「検討」というレッスンでは、他の子供の対局結果をみながら、先生の解説を聞いたります。また、詰碁のプリントを先生が配布し、教室のみんなで意見を出し合うという時間をとる先生もいます。
みんなで詰碁について話し合っているときや、検討を行っている時間は子供から色々な意見が飛び交うのでとてもに賑やか。相手の意見や考えを捉え、自分の考えを述べることで、ディスカッションスキルも磨かれます。
また、囲碁教室では、年に数回程度、昇級・昇段の大会があります。昇級・昇段は子供も非常にアツくなりますので、お父さんお母さんもしっかりサポートしてあげたいところです。
そして、毎年夏には日本棋院が主催する全国大会が開催されます。もちろん子供たちによる対局ですが、上位まで食い込むと教育テレビでも放映されます。テレビで放映されたとなれば、子供の中ではヒーローのように扱われるそうです。
囲碁教室の選び方は子供目線で
子供が通う囲碁教室は正直、選ぶほど多くの選択肢はありません。しかし、子供目線で選んであげるのは重要なことです。
教室選びの際、どうしても先生の過去の実績や受賞履歴などを重要視してしまがちですが、それよりも何よりも、子供と先生の相性が一番大事です。継続的に通ってもらうには、しっかり先生と子供がコミュニケーションのとれるかどうかが大切になります。
また、子供の通う学校の近くであれば、友達をつくりやすく、教室への通いやすさが増しますよね。もっといえば、たくさんの子供がいる教室を探すとよいでしょう。子供から人気が高いということは、先生が子供に教えるのが上手であるということになります。
最初は、コミュニティセンターや文化センターが開催する初心者向け教室に行ってみるのもおすすめ。まずは、囲碁に触れ、子供がどういう反応をするのか伺ってみましょう。
地方自治体が運営するホームページを覗けば、教室の情報を閲覧することができます。特に、夏休みや冬休みの期間に多いので、一度閲覧してみてください。
子供が囲碁をする3つのメリット・まとめ
この記事では、子供が囲碁を始めるにあたり、知っておくべき情報についてまとめました。
囲碁教室は知育にもなる上に、検証や詰碁を通してディスカッションスキルを磨けるというメリットがあります。
また、2020年からの教育改革により、ディスカッションのように自分の頭で考え、発言するという自発的なアクションが求められるようになります。
体を動かし、健康的な成長を育むことも大切ですが、囲碁で得られる力も将来、必ず重要となる能力の1つとなるでしょう。