子供に悪影響を及ぼす「肥満」を運動の習い事で解決する方法をご紹介します。
今、運動不足や食生活の乱れにより肥満に悩む子供が増えています。子供の肥満は放っておくと、生活習慣病である「成人病」になりやすく、学校で「いじめ」に遭う可能性も否定できません。
子供が肥満によって惨めな思いをする前に、スポーツの習い事でダイエットをするのも一つの手段です。今回は子供の肥満を解決するのにおすすめな運動の習い事や注意点についてご紹介します。
目次
子供の肥満を原因とする「いじめ」や「病気」を運動の習い事で予防!
肥満の子供が運動の習い事でダイエットをするのが良い理由を説明します。
保護者の中には、「子供はちょっとくらいふっくらしている方がかわいい」「子供にダイエットなんて必要ない」と考えている人もいるかもしれません。しかし、誰が見ても明らかに「太り過ぎ」だと分るような場合、子供であってもダイエットをした方が良い場合もあります。
子供の肥満は「糖尿病」「脂質異常症」「高血圧」につながりやすく、将来「心筋梗塞」や「脳卒中」を引き起こすリスクが高いので注意しないといけません。
(ご参考「子供の肥満はなぜ悪い?どうすればいい?」)
動脈硬化は中高年に起こりやすいというイメージがありますが、実際には子供の頃から症状が進行します。そのため、小さい頃から肥満症の人は、ダイエットをして肥満を解決しなければ、それだけ成人後の健康リスクも高くなると考えられているので注意が必要なのです。
また、子供の肥満は体型的にも目立ちやすく、学校で「いじめの対象」になりやすいという問題もあります。太っている子供が全員いじめられるわけではありませんが、肥満はいじめを引き起こす典型的な原因となっているため、子供のいじめが心配な場合は、肥満を放置すべきではありません。肥満の子供は「デブ」「ブタ」など、心無い言葉を浴びせられて心に傷を負ってしまう場合もあります。
そうした学校のいじめが原因となり、不登校になってしまう子供もいるため、子供が体型に悩んでいる場合は、小さな子供一人だけではダイエットをするのが難しいので家族も協力して取り組んであげましょう。
そして、子供の肥満の解消法として、「スポーツ系の習い事」がおすすめです。
肥満の子供には運動嫌いな子も多く、もしかしたら最初は運動の習い事を嫌がるかもしれません。しかし、食事を制限するだけのダイエットは不健康なので、健康的に痩せるためには、少しずつでも良いので、習い事を利用して運動習慣をつけることが大切です。子供の将来の健康のためにも、肥満には早めに対処するようにしましょう。
子供が痩せるのには「有酸素運動」の習い事がベスト
子供が痩せるのに良い習い事のポイントは「有酸素運動」です。
有酸素運動とは、長時間持続して少量~中度の負荷をかける脂肪燃焼しやすい運動のことで、以下のような習い事が代表的です。
運動系の習い事①水泳
全身を使って運動をする水泳は有酸素運動の代表的なスポーツです。水中で運動をするので体への負荷が少なく、肥満の解消に非常におすすめ。水泳をすることによって体力もつきます。
月謝が安く週1、2回のレッスンで6000円~1万円程度で通うことができます。
運動系の習い事②ヨガ
呼吸法を意識して体内の代謝を良くするヨガは、ダイエット効果だけではなく、免疫力のUPにも役立ちます。ゆったりした動きが多く運動嫌いな人にも挑戦しやすいのが魅力。
子供が一人で運動の習い事に通うことに抵抗がある場合は、親子ヨガから始めてみるのもおすすめです。費用は1回2000円前後でチケット制になっているケースが多く見られます。
運動系の習い事③ダンス
痩せるスポーツとして、ヒップホップダンスやフラダンス、チアダンスなどが挙げられます。腰回りのシェイプアップや太もものダイエットに効果がある動きが多いダンス。
一度やっただけで大幅に体重が減るわけではないので、筋肉をつけながら継続していくことが大切です。社交性や度胸、明るさも身につくので、ダイエット以外にも魅力的なメリットがあります。
費用は月4回で5千円~1万円程度で、平均的な習い事の金額です。
運動系の習い事④テニス
全身の筋肉をバランス良く動かすテニスは、消費エネルギーも大きく、脂肪が燃焼しやすくなります。ダイエット目的であれば、ゆっくりとラリーをするのがおすすめ。
ラリーをする楽しさがあるので、慣れてくれば遊んでいる感覚でダイエットができます。費用は、月4回で6000円~8000円程度で、平均的な習い事の金額です。また、テニスコートを時間制で借りられる施設も意外と多くあるので家の近くにある方は親子や友人と挑戦してみるのも良いでしょう。
その他の習い事
その他運動系だと「サッカー」「フットサル」「バスケットボール」「剣道」「空手」「ボルダリング」なども有酸素運動が多くなります。ただ100%有酸素運動という訳ではなく、例えば空手であれば有酸素運動と無酸素運動が混ざります。「型の練習は有酸素運動だが、筋トレは無酸素運動」といった具合です。ざっくりとしたイメージとして、程よい負荷を、瞬発的ではなく長時間に渡ってかけるスポーツを選ぶと良いです。
運動の習い事以外では、「ジョギング」や「マラソン」、「和太鼓」なども有酸素運動に入ります。
ただし、ジョギングやマラソンなどの有酸素運動は、肥満の子供がいきなり始めると、着地をした時に体重全てが足腰にかかって大きな衝撃となり、膝などを痛めてしまう可能性があるので注意をしないといけません。そのため、子供の体重がかなり重い場合は、足腰にかかる負荷を水中で軽くしてくれる「水泳」や運動嫌いでも取り組める「和太鼓」などがおすすめ。
特にこれまで運動嫌いで体を動かしてこなかった子供の場合、いきなり激しい運動をすると、「ケガ」につながる可能性があります。最初は体重がいくら痩せたかよりも、体を慣らしていくことを大切にしましょう。
運動の習い事で無理をさせてしまうと、子供がやる気をなくしてしまうので、無理をさせず楽しく運動できる環境を整えてあげることが重要です。一度運動の習い事に慣れてしまえば、体が以前よりも運動をすることに対して抵抗感がなくなってきます。
運動嫌いな子供の場合は「継続」させていくことを第一に考えて様子を見てみましょう。どうしても嫌がっている時は無理に習い事に行かせるのではなく、「月に1回だけお休みしても良い!」と割り切ってみると、意外に長続きする場合もあります。
肥満の子供にはおすすめできない運動の習い事も!
子供の肥満の解決には向かない運動の習い事を確認しておきましょう。運動の習い事であれば、どれも子供の肥満解消に有効というわけではありません。
水泳やダンスなど継続的に少量の負荷をかける有酸素運動とは違い、短時間で強い負荷をかける「無酸素運動」もあります。無酸素運動として代表的なのは「短距離走」「相撲」「ウェイトリフティング」などです。
無酸素運動は有酸素運動よりも脂肪燃焼効果が低いため、ダイエットをするのにはあまり向きませんが、体力作りには役立ちます。もしも子供が有酸素運動の習い事よりも、無酸素運動の習い事の方が良いという場合、「無酸素運動だからダメ!」と否定をするのではなく、子供のやる気を尊重してあげましょう。
ダイエットをする効率の良さという点では、有酸素運動の方がおすすめですが、習い事というのは、あくまでも「子供」がやるものです。大人だって、自分のやりたくない事は嫌々になってしまうように、子供もやりたくない習い事だと嫌になってしまう可能性が十分にあります。
まずは「体を動かすことを楽しい」と感じてもらうことが何よりも大切です。最初は運動の習い事を子供が嫌がっていたとしても、お友達ができるようになると、子供は意外に「遊び感覚で」楽しんで通うようになる場合があります。お友達と会う楽しみというのは、子供にとって運動の習い事を続ける大きなモチベーションになりやすいです。
そのため、どうしても子供の気が進まない場合は、仲良しのお友達が通っている運動の習い事に一緒に通い始めてみることをおすすめします。「○○くんや○○ちゃんも行っているんだよ」と教えれば、子供も興味を持つかもしれません。
運動の習い事を始めるきっかけは何でも良いので、まずは子供に運動をする習慣をつけ、継続できるように親がサポートしていきましょう。
習い事がダメならお家でエクササイズ!
週に1回程度、スポーツの習い事ができればベストですが、それが難しければご自宅で運動する習慣をつくってみましょう。近年はコロナ禍で自宅時間が増えたこともあり、自宅で軽い運動をする人が増えています。
Youtubeで「エクササイズ、ヨガ、ダンス、有酸素運動」などと気になるワードで検索してみると自宅で体を動かせる動画がたくさん出てきます。動画を見ながら実際に体を動かしてみましょう。子供一人でやると続かない可能性があるので、兄弟姉妹でやったり、親子でやったりすると良いでしょう。楽しく体を動かすことができて、とても気持ち良いものですよ。
(youtubeで「有酸素運動」を検索)
また、上記で紹介したような運動系の習い事はちょっと腰が重い…という方には、ゲームで体を動かしてダイエットするのも一つの手です。ゲームなら友達や親子で自分から進んでやる子もいるでしょう。但し、ハマりすぎにはご注意を。
(参考:スイッチの運動系ソフト人気おすすめランキング15選【体を動かすゲームを紹介!】)
運動の習い事をするなら子供の「食事」にも注意!
運動の習い事とセットで食生活も改善しましょう。なんとか子供に運動の習い事を始めさせることに成功をしたら、次に「食生活」も改善していきましょう。
そもそも「摂取カロリー」が「消費カロリー」を越えなければ肥満にはなりません。今現在肥満で悩んでいる人は、消費カロリーよりも摂取カロリーが多い状態で、「食べ過ぎ」が問題になっている可能性が高いです。そのため、子供の肥満を改善するためには、運動で消費カロリーをUPするだけではなく、摂取カロリーを下げることも重要になってきます。
まずは自分が1日にどのくらいのカロリーを消費するのか「基礎代謝」を把握しなければ、1日にどのくらいのカロリーを摂取していいのかわかりません。
そこで、子供の肥満を解決すると決めたのであれば、基礎代謝もチェックできる体重体組成計(体脂肪計)を購入しておきましょう。体重体組成計があれば、簡単に子供の基礎代謝をチェックすることができます。1日に必要な摂取量がわかれば、どのような献立を立てるべきか、ママもわかりやすくなりますよね。
子供が好きなハンバーグやから揚げなどは、普通に作るとカロリーが高くなりがちなので、ハンバーグはお肉の量を減らしてヘルシーなお豆腐を使ったり、から揚げもジューシーなモモ肉よりさっぱりした胸肉を使い少量の油で揚げ焼きにするなど、ちょっとした工夫をしてみましょう。
成長中の子供に必要な栄養はしっかり摂りつつ、余分なカロリーは出来るだけカットすることがポイントです。1日3食をしっかり摂って、おやつの間食をなくしましょう。自宅におやつやカップラーメンが沢山置いてある家は、子供が勝手に食べてしまう可能性がありますので、買い置きをしないこともポイントです。どうしてもお菓子が食べたい場合は、200kcalまでに抑えるようにしましょう。
3食で十分に満足できるようにするためには、ママにとってはきついことかもしれませんが「おかずの数を増やす」のが有効です。子供のお腹がすいているからと、カロリーの高い白米のご飯を何杯もおかわりさせてしまうのはNG。野菜をたっぷり使った副菜を増やすことによって、栄養バランスも良くなり、炭水化物を取り過ぎないで済みます。作るのが簡単だからと、丼、パスタ、ラーメンなどの単品だけで済ませてしまうと、腹持ちが悪く、すぐにお腹が減ってしまうので、間食しやすくなってしまうので気を付けましょう。
また、ジュースは糖分が多いので、出来るだけ水やお茶を飲む習慣をつけるようにするのも大事です。食事時間も、就寝前の3時間前には済ませておくのが理想的。帰宅の遅い旦那さんに合わせて食事をするのではなく、子供だけでも早めに食べさせてしまう方が良いでしょう。
規則正しい食生活と運動の習い事を両方継続することによって、子供の肥満は効率的に改善できます。食事制限の厳しいダイエットは子供の健康にとって害となる恐れがあるため、健康的に痩せるためには、運動の習い事を上手に活用しましょう。