日舞教室は礼儀正しさや美しい所作が身につき、子供に習わせるメリットが大きい習い事です。
しかし、その一方で日舞教室はお金がかかる習い事と言われています。
日舞教室には実際どのくらいのお金がかかるのか?
今回は日舞教室に入会する前に知っておきたい金銭事情についてご紹介したいと思います。
日舞教室に通おうかどうか迷っている人は判断材料として一読してみてください。
目次
日舞教室はお金がかかるって本当?
まず、結論から申し上げると、「はい、本当です」。
日舞教室は、上品なイメージで、年上の人との付き合い方や礼儀作法を学べることから、子供の将来を考えて習わせたいと思っている人も多いでしょう。
日舞とは、「日本舞踊」の略称であり、伝統的な日本の踊りの総称を指します。
日舞には、「花柳流」「藤間流」「若柳流」「西川流」「坂東流」という5大流派があり、それぞれの流派によって方針が異なるのが特徴です。
そして、日舞教室には相当なお金がかかるため、親の「経済的なサポート」が非常に重要になります。
親としては、習い事は一度始めたら、簡単には辞めさせたくないので、できるだけサポートはしてあげたいと思っているけど、それでも「限界」がありますよね。
おそらく、この記事を読んでいる方の多くは、日舞教室が「経済的サポートの限界」を超えてしまうかどうかを確認したいと考えていると思います。
子供を入会させて、本当に経済的なサポートをしていけるかどうか判断に迷った時には、これからご紹介する日舞教室でかかるおもな費用を確認してみてください。
日舞教室でお金がかかる原因:入会金・月謝
日舞教室に入会する時には、平均的に「1万円」前後の入会金がかかります。
日舞教室の月謝は子供の場合、月4回(週1回)で「8千円~2万円」前後が相場です。
入会金と月謝については、日舞教室は他の習い事と比較して、平均的か少し高めの料金と言えます。
近所に日舞教室がない場合は、毎月かかる費用として「交通費」が追加してかかる程度です。
日舞教室でお金がかかる原因:稽古着
日舞教室を始める時に購入しないといけない物として、「稽古着」が挙げられます。
日舞教室では、稽古着として「着物」や「浴衣」を着用するのが一般的です。
その他、「帯」「襦袢」「肌襦袢」「裾よけ(ステテコ)」「腰紐」「白足袋」「扇子」なども用意する必要があります。
稽古着で使用する着物や浴衣は、上等な物である必要はありません。
稽古着は汚れたり、汗を沢山吸うため、「自宅で洗濯できるもの」「動きやすいもの」を選びましょう。
特に綿でできている浴衣の場合は、何度も洗濯をしていると縮みやすく、シワ取りのためにアイロン掛けをしないといけない面倒があるため、親の負担が大きいでしょう。
また、子供が動き回っている時に、破れてしまったりすることもありますので、稽古着は場合によっては、何度も買い替える必要があります。
そのため、稽古着は高級品ではなく、オークションでも売っているような中古の手頃な物を用意した方がおすすめです。
日舞教室でお金がかかる原因:お中元・お歳暮
日舞教室が他の習い事とは違いお金がかかる大きな原因が「お中元」「お歳暮」の風習です。
一般的な習い事では、先生に対してお中元やお歳暮を贈ることは稀だと思います。
しかし、日舞教室では「季節の挨拶」として、一般的に「月謝1ヶ月分」に相当する金額のお中元とお歳暮を贈る習わしがあるので注意が必要です。
金額は流派によって決まっている場合もありますので、その場合は指定された金額のお中元やお歳暮を用意するようにしましょう。
日舞教室はお稽古にお金がかかるというよりも、お中元やお歳暮のように、「人間関係」を円滑に保つために発生するお金がかかるのが特徴です。
そのため、親がお中元やお歳暮選びが苦痛というタイプだったり、人付き合いに気が回らないタイプだと、子供以上にストレスを強く感じてしまい、日舞教室が「合わない」と感じてしまう可能性もあります。
日舞教室でお金がかかる原因:舞台費用
日舞教室に通っていると、日頃の成果を披露する「舞台(発表会)」が開催されます。
日舞教室の舞台は、大掛かりな規模になる「本会」と小規模な「勉強会(浴衣会)」の2種類。
本会では、自分の子供の「衣装代」「ヘアメイク代」だけではなく、「会場費」「道具代」「スタッフの日当」「お弁当代」「先生へのお礼代」などの費用もかかるため、トータルで一人あたり数十万円という出費になります。
その時にかかった費用や出演者の数によって費用は大きく異なりますが、30万円~50万円程度かかると思っていたほうが良いでしょう。
「日舞教室はお金がかかる!」といわれる所以は、まさに本会の出費のことであり、多くの人は高いと思いながらも工面をしているのが現実です。
そのため、経済的に恵まれている家庭か、名取や師範を目指している人でないと、日舞教室を続けていくことは難しいと言えます。
日舞教室の方針はそれぞれ違いますので、具体的な費用が気になる人は周囲に確認しておくほうが良いでしょう。
一方、勉強会は「浴衣会」とも呼ばれており、基本的には自分の衣装代とヘアメイク代がメインとなります。
それでも2万円~4万円程度の費用がかかるのが一般的です。
日舞教室でお金がかかる原因:名取・師範になる費用
日舞教室に長年通っていると、中には本格的に師匠をもって「流派の一員になりたい!」と考えるようになる場合があるかもしれません。
日舞の世界では、流派の一員として認められるためには、「名取」になる必要があります。
名取とは、師匠に弟子入りをして、流派の一員として名乗ることを許された人のこと。
名取になるためには、「名取の儀式」を行う必要があり、「師匠へのお礼」「流派の家紋が入った着物や帯を作る費用」「食事代」などがかかり、最低でも2百万円前後は覚悟をしなければいけません。
さらに、名取から師範になるためには、1千万円前後の費用がかかると言われており、名取や師範を目指すのであれば、大変な費用がかかると覚えておきましょう。
セクシータレントとして有名な壇蜜さんは、一説によると、坂東流の師範になるための費用を稼ぐために芸能界入りしたとも言われています。
経済力がなければ名取や師範にはなれないという厳しい現実があるため、日舞教室に子供を通わせるのであれば、どのレベルで満足とするか、よく考えておかないといけません。
お金をかけたくないなら「浴衣会」のある日舞教室がおすすめ
一般人が日舞教室の習い事をする場合、無理なく通うのであれば、「浴衣会」の参加までが限界となるでしょう。
1回で30万円~100万円前後もかかる本会への参加は、経済的に恵まれた家庭でなければ難しいと言わざるを得ません。毎年ある舞台発表会へ参加し続けることは大変でしょう。
その点、浴衣会であれば1回4万円前後で済むので、一般家庭でも費用を捻出できるので参加しやすいのが魅力です。
そのため、日舞を子供に習わせるのであれば、浴衣会のある教室を選ぶことをおすすめします。
日舞教室は「親のサポート」がポイント!
日舞教室は、子供が浴衣を着るのを手伝ったり、発表会の前の稽古につき合ったり、自宅で浴衣の洗濯&アイロン掛けをしたり、サポートすることが山ほどあります。
さらには、夏になればお中元、冬になればお歳暮選びなどで、先生方への気遣いも問われるため、親に相当な負担がかかることを覚悟しましょう。
親が「お歳暮なんて面倒くさい」「細かいことにうるさすぎ」「習い事に子供のことを全部お任せしたい」という考えを持っているタイプだと、日舞教室は全く向きません。
子供が日舞教室に通っていることが、次第にストレスに感じてしまうでしょう。
日舞教室に通うなら、主役の子供のために、親が黒子として、あれこれ世話を焼くことが求められます。
そのため、家族にサポートできる人がいないのであれば、日舞教室の習い事は長く続けていくことが難しくなってしまうでしょう。
日舞教室に子供を通わせるのであれば、サポートする時間的な余裕と経済的な余裕の両方があることが望ましいです。
日舞の華やかな部分に惹かれ、よく考えないで子供を日舞教室に通わせてしまうと、親も自分の首を絞めることになってしまう可能性があります。
子供が日舞教室に通いたいと言っても、親がサポートできる状態ではなかったり、経済的に苦しいと感じているのであれば、入会は慎重に検討しなければいけません。
親がサポートできないと、日舞教室で浮いた存在になってしまったり、経済的に苦しく発表会への参加を見送ることになってしまうと、それだけ子供が入会した後に辛い思いをする可能性があります。
日舞教室は礼儀作法が厳しい世界ですので、子供だけではなく、親もそれなりの覚悟をして入会するかどうかを判断しましょう。