「ジュニアプログラミング検定って?」
「ジュニアプログラミング検定の学習方法や試験内容は?」
上記のような疑問をお持ちのお父さんお母さんに向けた記事になります。
ジュニアプログラミング検定は、子供にどういう影響を与え、成長につながあるのでしょうか。その可能性や試験内容について、具体的に掘り下げていきます。
目次
ジュニアプログラミング検定とは?
ジュニアプログラミング検定とは、プログラミングを学ぶ子供を対象とした資格試験です。scratchを利用し、プログラミングの能力を測定します。
2016年12月より、株式会社サーティファイが中心となる、「サーティファイ情報処理能力認定委員会」が運営・認定行っています。
同委員会では、子供の成長を段階的、かつ客観的に評価することで勉強の意欲につなげ、達成感を創出。今後、ますます進むIT化の世界でも積極的な姿勢をもって活躍できる子供の育成に力をいれています。
受験資格に制限はありませんが、対象者は小学生となっており、社会人向けの資格ではない点には留意しておきましょう。
scratchとは?3つの特徴を紹介
ジュニアプログラミング検定の試験対象となる「scratch」とは、どのようなものなのでしょうか。
いまやscratchは、プログラミング言語を勉強するうえで欠かせないものとなっています。以下にて、詳しく解説していきます。
日本語に対応しているから子供も安心
scratchは、2006年にアメリカのマサチューセッツ工科大学が製作したビジュアルプログラミング言語です。アメリカ発祥ですが、日本語にも対応しているのでご安心を。
ビジュアルプログラミング言語とは、テキストでプログラムを組むのではなく、視覚的なオブジェクト(ブロック)でプログラミングを行うことのできる言語のことを指します。テキストではないため、直感的にプログラムを組むことが可能です。
scratchは、人気のため150カ国以上の国で利用されています。日本語には完全対応しており、ひらがな・カタカナ表記のみで学習できるメニューもあります。
オフライン・オンラインともに無料で利用可能
scratchはブラウザ上で起動するため、基本的にはオンラインでの利用になります。世界中のどこであったとしても、ネットが繋がっていれば学習が可能であるということですね。
さらに、scratchはオフライン上でも利用が可能となっています。利用方法も簡単で、「オフラインエディター」「Adobe AIR」をインストールするだけ。どちらも無料です。
本来、プログラミングの環境を用意するのは難しく、初心者は環境の準備だけで心が折れてしまいがち。ネットを繋げ、ログインするだけでなのは非常に嬉しいポイントです。
教育機関からひっぱりだこになるほどの実用性
scratchは、子供向けのプログラミング言語としては最も人気であるといっても過言ではありません。特に、アメリカでは、STEM教育の一環として取り入れられており、幅広く利用されています。
日本でも文部科学省がビジュアルプログラミングツールを提供していますが、それを抑え、scratchの利用率が最も高くなっています。
なんと、全世界に2800万人のユーザーを有し、約3200万ものプロジェクトが共有されているのです。もちろん、日本の教育機関でも人気が高く、大学の教育学部でも教員を目指す学生に対し、scratchを使用しています。
私営のプログラミング教室でも、コースの一環として取り入れられているほど。この人気が実用性の高さの裏付けとなっているのではないでしょうか。
ジュニアプログラミング検定を受験するメリット
ジュニアプログラミング検定を受験するメリットは、どのようなところにあるのでしょうか。以下にて、メリットを3つ解説していきます。
プログラミング的思考力が身に付く
scratchでの学習を通して、プログラミング的思考力を身に付けることができます。
プログラミング的思考力とは、論理的思考力に類似し、物事をロジカルに捉え、理解する力です。
プログラミング的思考力は、2020年より始まるプログラミング学習においても、身に付けるべき力であると文部科学省が発表しています。
VRやAIなど、近代化が進む日本において、物事の本質を理解する力は必要不可欠といっても過言ではありません。
特に、近代化が著しい昨今、専門家であっても「日本の10年後を予想するのは難しい」というほどです。プログラミング的思考力は、そんな不透明な未来に順応するための能力の一つであるといえます。
子どものプログラミングスキルを前もって知れる
ジュニアプログラミング検定を受験しておけば、客観的に子供の能力を知ることができます。適正の有無を見極める方法として利用するのにも合理的です。
ただし、お父さんお母さんにプログラミングの知識が一切ない場合、適正の有無を見極めるのは難しいかもしれません。
あくまで、「プログラミングそのものに対しての耐性を持たせる」というくらいの認識でよいでしょう。
ジュニアプログラミング検定を通して、プログラミングに興味が生まれた子供には、教室に通わせてあげることを検討してもよいですね。学校での授業も優位に進められるはずです。
プログラミング学習への抵抗意識を消せる
プログラミング学習への抵抗意識を消すという意味でも、ジュニアプログラミング検定は有効です。
ピアノやそろばんに「級」というマイルストーンがあるように、ジュニアプログラミング検定にもマイルストーンがあります。
子供自らが、自身の習熟度を客観的に知り、目標をもつことで学習に対するモチベーションも上がるでしょう。難易度を段階的に上げていくことで、プログラミングに対する抵抗意識を持つ可能性も低くなります。
子供自らが目標を持ち、努力するための環境を用意してあげたいものです。
ジュニアプログラミング検定の試験内容
試験の内容は、scratchを利用し、1つの作品を完成させるというもの。
scratchで使用されるブロックの知識やキャラクターの名前を解答するのではなく、ゲームやキャラクターへの指示をプログラミングにより作成していくのです。
受験者は、問題文や完成例ムービーを参考にしながら、プログラムを完成させます。時間制限があるため、作り上げるスピードも評価の対象になります。
ジュニアプログラミング検定の評価方法
ジュニアプログラミング検定の認定基準は下記の4つに分かれています。審査基準も一緒にみていきましょう。
Entry(4級)……Entry(4級)には、合否の認定がありません。「試験を受けました」というレベルであることに留意しておきましょう。
Bronze(3級)……条件分岐や繰り返しのブロックを利用し、単純な条件や道筋を作成。成果物を判定します。条件分岐や繰り返しは、本来のプログラミング言語でも基礎的な部分となる重要なパートです。
Silver(2級)……条件分岐の更なる応用、入れ子構造が利用できるか、などが判定のポイントとなります。
Gold(1級)……これまでの試験の応用に加え、演算処理が使えるかどうか、までが判定の基準になります。
子供向けとはいえ、1級や2級になってくると難易度は上がります。例えば、他者がつくったプログラミングを修正する「変更仕様」が出題されます。
まずは4級を受験し、子供の反応をみてはいかがでしょうか。
ジュニアプログラミング検定のおすすめ勉強方法
ジュニアプログラミング検定を受験する際、おすすめの勉強方法を紹介していきます。
初心者の場合、楽しく学習することが何より大切であることを念頭に置き、以下の勉強法を参考にしてみてください。
他の人が作ったscratchプログラムを改造する
さきほども説明したように、1級・2級では、他者のプログラムを修正するという問題が出題されます。そのため、他者のつくったプログラミングを観察し改造するという勉強方法がおすすめです。
具体的な完成形を先にみておくことで、学習も進めやすくなります。
黙々と作業するのは精神的にも辛いものがありますので、他者のプログラムを参考にしながら学習していくのもよいでしょう。
scratchで色々なゲームを遊ぶ
学習も大事ですが、「プログラミングは楽しい」と潜在的な意識に擦り込むことも必要です。学校でもプログラミング学習は取り入れられますので、「プログラミングは楽しくない」という抵抗意識を持ってしまうのは、何よりも避けたいところ。
さらに、色々なゲームで遊ぶというのは、検定の合格においても非常に大事な要素の1つになります。
なぜなら、検定の合格の基準に「自由なアイデアが盛り込まれていること」というのがあります。これは色々なゲームをプレイすることによって養われる力です。
たくさんのゲームを遊ぶことにより、「この前遊んだゲームのプログラムにあったものを応用してみよう」という発想が生まれるのです。
ひたすらscratchでプログラムを作成する
試験には制限時間が設けられているため、プログラムを作成する速さも求められます。
これに関しては、「どれだけ多くのプログラムを作成してきたか」が重要になってきます。
まとめると、「他人のプログラムで遊んだり、参考にしながら、どれだけ多くのプログラムを作成できるか」が学習において大事になるということです。
ジュニアプログラミング検定とは?まとめ
この記事では、ジュニアプログラミング検定の評価基準や学習方法について紹介してきました。
これからの時代、プログラミング学習が無駄になることは恐らくありません。小学生のうちから学ぶことのよって、将来の「職」につながることも十分に考えられるでしょう。
また、「プログラミング的思考」も生きていくうえで大きな力となってくれます。
「物事の本質を捉え、考え、行動にうつすことのできる子供になってほしい」というお父さんお母さんは、ジュニアプログラミング検定を検討されてみてはいかがでしょうか。