バイオリンの習い事は、誰でも気軽に挑戦できるものではありません。始める前に「本当に続けられそうか?」親子で確認してみましょう。
バイオリンは「お金持ちの習い事」というイメージが強く、「子供が生まれたら習わせたい!」と思っている人もいるでしょう。
しかし、バイオリンの習い事は、想像以上にハードルが高く、安易に始めてしまうと、後から後悔してしまう可能性があります。
バイオリンをこれから習わせたいと思っている人は、是非習い事を始める前にこれからご紹介する「4つの条件」に該当していないかチェックしてみて下さい。
4つの条件のどれか一つでも該当している場合、バイオリンが向かない可能性がありますので慎重に検討しましょう。
目次
バイオリンの習い事を親がサポートをできない場合
子どもの頃は、親がバイオリンの調弦したり、送り迎えをしたり、場合によっては一緒に家で練習をしたりするなどのサポートをする必要があります。
基本的に習い事は「スクールに完全お任せ」もしくは「子供だけでやってほしい」と思っている場合は、バイオリンの習い事は向かないかもしれません。
小さな子どもがバイオリンを習う場合、一般的に親のサポートをある程度必要とします。
中でも特に重要なのが「調弦」と「送り迎え」です。
バイオリンはじめ、ギターのような弦楽器は、非常にデリケートな楽器で、気候や湿度などによって音が狂いやすくなります。
そのため、演奏を始める前に音を調節する「調弦」の作業が欠かせません。
調弦は大人になれば自分一人でも出来るようになりますが、まだまだ小さな初心者の子供が一人で行うには難し過ぎます。
バイオリンの習い事を始めたばかりの子どもなら、親が調弦をしてサポートする必要があります。
バイオリン教室では先生が調弦を手伝ってくれますが、自宅練習では親が調弦をしなければいけません。
バイオリンは練習しないと、なかなか上達しないので、自宅での練習は必須です。
子どもが自宅でバイオリンを練習するたびに、ちゃんと親が調弦をしてあげられるのかが重要になってきます。
また、バイオリン教室は、ピアノ教室とは違い、意外に数が少ないため、場合によっては近所にないケースもあります。
バイオリン教室が遠く、車での送り迎えが必要な場合も出て来るので、その際に親が対応できるかどうかも大切です。
そのため、夫婦共働きでどちらも帰宅が遅く、子どもの習い事にはつき合えないという場合は、バイオリンはあまり合わないかもしれません。
バイオリンの習い事をするのであれば、夫婦のどちらかがある程度子どものサポートをできる状態が望ましいです。
集合住宅に住んでいてバイオリンの練習ができない場合
特に防音設備がない集合住宅の場合は、バイオリンの自宅練習が騒音問題に発展する可能性があります。
意外かもしれませんが、バイオリンの練習は、かなり音が響くため、防音設備のある部屋でないと、近所から苦情が出る可能性があります。
特に注意をしたいのが「集合住宅」に住んでいる場合です。
一軒家に住んでいる場合は、隣の家と距離が離れていたり、壁が厚くなっているので、それほど気にならないというケースもあります。
しかし、集合住宅は隣の家と壁一枚隔てているだけなので、バイオリンを弾けば当然音が気になります。
よほど音楽に理解がある人であれば苦情が出ないかもしれませんが、小さな子供が毎日のように練習するバイオリンの音は「騒音」と感じてしまう人の方が多いでしょう。
賃貸物件の場合は、契約書に「楽器不可」とはっきり記載されているケースもあるので、注意をする人が多いですよね。
しかし、意外に分譲住宅の人の方が、「自分の所有物」という感覚があるせいか、平気で楽器を演奏して、近隣に迷惑をかけるというケースがよく見られます。
分譲住宅では、楽器の演奏について厳しく制限しているケースが少ないため、集合住宅でも「演奏して良い」と思っている人もいます。
ただ、実際には分譲住宅でもあっても、周りの人がバイオリンの騒音を問題視する可能性は十分にあり、最悪の場合はご近所トラブルに発展するかもしれません。
そのため、バイオリンの習い事をするのであれば、周囲への配慮が非常に重要になります。
賃貸物件の場合は、契約で楽器が不可となっていれば、当然バイオリンの練習はできません。
自宅でバイオリンの練習をしたいのであれば、練習場所を別に確保するか、楽器が演奏できる家へ引っ越しをする必要が出てきます。
また、分譲住宅に住んでいる場合は、ご近所トラブルにならないために、部屋の一室を防音室へリフォームするのが現実的な方法です。
家を引っ越したり、リフォームするのが難しい場合は、楽器演奏が可能な「カラオケボックス」や「レンタルスペース」で練習をする方法もあります。
ただし、カラオケボックスやレンタルスペースは、練習をすればするほど、お金がかかってしまうのが難点です。
バイオリンを買い替えるが経済的に厳しい場合
自分でやったことのない方には初耳かもしれませんが、小さい頃からバイオリンを始めた場合、身体に合わせて何度もバイオリンを買い替える必要があります。
バイオリンやギターのような弦楽器は、身体に引き寄せて演奏するため、「サイズ」が非常に重要です。
大きすぎても、小さすぎても、バイオリンは演奏しにくくなってしまいます。
そのため、小さい子どもと大人では、バイオリンのサイズが全く異なります。
その時々の成長に合わせて、子どもの場合は何度もバイオリンを買い替える必要があるのです。
バイオリンは一般的に、「身長」と「腕の長さ」に合わせて選びます。
実際に手に持ってみて、しっくりくるものを選ぶのが一番です。
また、バイオリンは実際に弾いてみると、それそれ音色も異なるので、自分好みの音色を選ぶ楽しさもあります。
では、気になる子ども用のバイオリンはどのくらいの金額なのかというと、一般的に2万円~3万円程度が相場です。
大人のバイオリンの場合は、初心者向けで10万円前後、中級者向けになると20万円前後、上級者向けになると50万円以上にもなります。
更にバイオリンは、弓についている「弓毛」の部分が消耗品になっているため、半年に1回くらいの割合で、弓毛交換のメンテナンスを行う必要があります。
弓毛交換は、使用する弓毛の品質によって5千円~1万円前後かかるのが一般的です。
バイオリンを成長に合わせて買い替えながら、弓毛交換などもする費用を考えると、かなり経済的な負担が大きくなります。
何万円~何十万円とするバイオリンを買い替える費用が工面できない場合、バイオリンの習い事を続けることが難しくなってしまうかもしれません。
費用の問題は、子どもよりも、大人に大きなプレッシャーになるため、バイオリンを始める時に、夫婦でよく話し合っておく必要があるでしょう。
バイオリンは新品ではなく、中古のバイオリンを譲ってもらったり、購入することによって、かなり節約をすることもできます。
ただし、中古であってもバイオリンを成長に合わせて買い替えていく必要はあるため、バイオリンを買い替えていく十分な経済力がある方が望ましいです。
近所にバイオリンの習い事教室が少ない場合
バイオリンを習いたくても、教室の数が少ないので近所で習える場所がない可能性があります。
バイオリンの習い事で、実は一番困ってしまうのが、「バイオリン教室の数」の問題です。
バイオリンの習い事をしたくても、地域によっては近所にバイオリン教室が1軒もないケースがあります。
都心はバイオリン教室があっちこっちにあるのでそれほど困りませんが、地方の田舎になると、バイオリン教室を探すことが困難になります。
特にバイオリンはある程度重さがあるので、小さい子どもが一人で持ち運びをするには、通学できる範囲に限界があります。
一般的に、小さな子どもがバイオリン教室に通う場合、子ども一人でバイオリンを持って簡単に通学できる教室を選ぶか、親が送迎する必要があります。
バイオリンケースを持ち運ぶのが難しいような遠い距離になってしまうと、親のサポートがなければ通学するのが難しくなってしまいます。
しかし、最近は共働きをしている親が多く、バイオリン教室へ毎回送り迎えするのが難しい場合もありますよね。
近所にバイオリン教室がない場合、小さい頃から習い事を始めるのは諦める必要が出てくるかもしれません。
しかし、子ども一人だけで公共交通機関を利用して、バイオリンケースを持って遠くまで通学できるようになれば、バイオリン教室に子どもだけで通うことも可能になります。
バイオリンの習い事を諦める必要はありませんが、近所に教室がなく親も送り迎えのサポートが出来ない場合は、「始める時期」を遅らせることを検討しましょう。
バイオリン教室は、一般的に3歳くらいからレッスンが可能ですが、3歳では一人でバイオリンケースを持って通学するのは難しいですよね。
一人でトラブルが起きた時にも、周囲にちゃんと状況を説明でき、大人に助けを求められるようになってからの方が安心です。
一人でバイオリンケースを持てて、パニックにならずに電車やバスに乗れるようになってから、習い事を始めましょう。
子ども一人で通わせる場合は、携帯を持たせるようにして、常に連絡が取れるようにしておくことも大切です。
また、通学以外でバイオリンを習う方法としては、「オンラインレッスン」や「家庭教師型」を利用する方法もあります。
オンラインレッスンは、動画を利用して演奏をチェックすることができますし、家庭教師型の場合は自宅に講師に来てもらって直接レッスンを受けることが出来ます。
どちらも自宅でバイオリンのレッスンを受けることができるので、周囲に通えるバイオリン教室がない時におすすめです。