「ゴールデンエイジ」という言葉を聞いたことはありますか?直訳すれば「黄金期」となりますが、幼少期から中学生あたりまでの子供時代が「ゴールデンエイジ」と呼ばれています。
近年、幼児教育やSTEAM教育など、さまざまな方面から教育についての情報に注目が集まっていますが、「ゴールデンエイジ」もその1つ。ゴールデンエイジをどう過ごすのかによって、子供の運動神経形成に差が出てきます。
今回は、子供のゴールデンエイジからみた子供の運動神経と、子供時代の理想的な過ごし方についてご紹介していきます。子供の運動神経の悪さや習い事を始める時期について悩んでいる方の参考になればうれしいです。
目次
ゴールデンエイジとは子供の発達において脳の神経がつながる時期のこと
「ゴールデンエイジ」とは、子供が成長する上で脳の神経がつながる時期のことを指します。一般的に10歳前後で大人と同じレベルで脳の神経がつながると言われています。
発達には3段階がある!スキャモンの成長曲線から知る子供の発達
「スキャモンの発育曲線」を参考に考えてみますと、大体3歳前後から中学卒業あたりまでをゴールデンエイジと呼んでいて、大きく分けて3つの段階に分かれています。
- 3歳前後から8歳前後→プレゴールデンエイジ
- 9歳前後から12歳前後→ゴールデンエイジ
- 13歳前後から16歳前後→ポストゴールデンエイジ
それぞれの段階についての特徴を簡単に紹介していきます。
参考①:「スキャモンの発育曲線」でわかる!3歳からスポーツをはじめたほうがいい理由/Greenfield
https://greenfield.style/article/2640/
参考②:キッズ脳育運動教室?【ゴールデンエイジ期とは?】/インフィニティ―スポーツクラブ
https://sgrum.com/web/infinity-sports-club/free1/single.html?seq=57
参考③:遊びが運動神経を高める? プレゴールデンエイジの過ごし方/ベネッセ教育サイト
https://benesse.jp/kosodate/201510/20151006-2.html
プレゴールデンエイジ時代
プレ時代は基礎や土台作りの時期。たくさん動けばその分神経も多くつながりますので、積極的に動いた方がいい時期と言えるでしょう。歩く、走る、飛ぶ、投げるなど運動の基礎になる部分もこの時期に養われるので早い子は3歳くらいから習い事を始めますよね。
この時期、たくさん外遊びを経験した子供は、より多くの運動体験、感性の体験ができるため、知識の習得にもつながりやすいと言われています。思い切り遊んだ子供ほど、勉強ができるという結果につながる土台作りの時期というわけです。
ゴールデンエイジ時代
脳神経がほぼ大人と同じ数になると言われている小学校中学年あたり、つまりゴールデンエイジと呼ばれる時代に入ると、基礎の母数が多い程、その後の運動神経の良さに差が出てきます。
神経のつながりがほぼ完成した時点で、動きの神経経路をたくさん持っている方が、よりリンクしやすくなるということになりますね。
心の成長も後押しして、さまざまな矛盾にも気づけるようになり、これまでのデータがつながることで、新しいスキルも比較的簡単に習得できるようになる時期と言われています。
ポストゴールデンエイジ時代
体の成長が大人に近づくポスト時代は、つながった神経回路を使った実践が可能になる時期です。身長や体重、筋力や思考が神経の成長にある程度追い付くので、実際に自分の体を操縦していく時期とも言えるでしょう。
筋力トレーニングなども高校生以上になると始まるのは、体の成長が大きく関係しています。年齢にあった動きを取り入れることで、順にスキルアップしていく、というイメージだと思えば、わかりやすいのではないでしょうか。
運動神経の良さは遺伝ではない?!ゴールデンエイジに何をして過ごしたかがカギ
子供の運動神経があまりよくないと、親の遺伝だと考える人もいるでしょう。しかし、現代では親の遺伝ではなく子供時代にいかに体を動かしたかが関係していると言われています。
親の運動神経の悪さと子供の運動神経の悪さは生活環境が同じだから
運動があまり得意ではない親の子供の運動神経が悪いと感じるのは、親の生活環境が影響していると考えてみましょう。例えば、日常的に活発に動く親の子供であれば、親子の遊びは公園で体を動かす遊びになるでしょう。
また、キャンプやサイクリング、釣りや登山など、アウトドアで過ごすタイプの親であれば、子供の生活環境も必然的に動くことが主体となる環境になりますよね。では、家にいるときはゲームやスマホ、DVDなどの動画を観て過ごすタイプの親の子供であれば、親子の遊びもゲームや動画を観る事が主体となってきます。
ここで大きく違うのは、体全体を使って動かす環境と座ったままの環境では使っている運動神経の数が違いますね。外遊びの方がより複雑な判断や動きを必要とするのに対し、座ったままで使う運動神経は手や腕など上半身の運動神経が主になるでしょう。
幼少期に使ってきた運動神経の数×年数の差は年齢が上がるにつれ大きくなることは一目瞭然。親の環境が違うだけで、子供の運動神経にも大きな影響が出てしまうんですね。要するに、運動神経がいい子供になってほしいと願うならば、家でも外でも体を動かし、多種多様な経験を積むことが必要というわけです。
ゴールデンエイジにどれだけの神経を刺激できるのかが子供の運動神経を左右する
幼少期の頃から、家や外でたくさん遊ぶ程、神経はつながっていきます。外遊びは体全体を動かすため、ゴールデンエイジを過ごす子供時代には必須だと考えてもいいでしょう。始めは外を散歩するだけでもいいですし、広場や公園があれば、遊具を体感したり、ボール遊びをしたりして過ごすのもいいですね。
その年齢でできることをどんどん取り入れて、数多くの体験をしておくことで、土台となるデータができるようなもの。スポーツ選手になるかどうかではなく、ゴールデンエイジに入る前のデータが多い程、その後、様々な習得がスムーズにできるようになるわけですね。
ゴールデンエイジを活かすなら習い事は最適な選択肢
バイオリンやバレエ、その道のプロを目指すようなアーティストやスポーツ選手の多くは、3歳くらいから習い事を始めていることが多いのではないでしょうか。早く始めたからプロになれるわけではありませんが、どれだけの間、その神経を使ってきたのか、データが多い程うまくなるのは当然と言えるでしょう。
大切なことは年齢に合った動きを子供の環境に取り入れること。未発達の部分を求めても、子供は自己肯定感を失くしてしまうだけですので、1つずつ階段を上るようにできることを増やしていくことが大切です。
習い事は、それぞれに必要な環境が揃っているため、ゴールデンエイジの期間を過ごすには最高の場所です。1つの習い事を続けることも大切ですし、複数の習い事で刺激を得るのもいいでしょう。
親ができるものは親が教え、親には難しいことは習い事にお任せするのも1つの方法です。子供や家計に負担のない程度で習い事という制度をうまく利用して、ゴールデンエイジ期を最大限に活かせるといいですね。
スポーツ以外もOK!ゴールデンエイジを最大限に利用できる習い事3選
運動神経というとスポーツを思い浮かべる方が多いでしょうが、スポーツ以外も運動神経を使います。習い事では専門性を求めるのか、遊び的な要素を求めるのか、など親子で目的を決めてから選ぶといいでしょう。
ここでは、ゴールデンエイジ期を最大限に利用していけるよう、より複雑な神経回路を必要とする習い事を3つ、ご紹介していきます。
ダンス
音楽、リズム、体幹、体の動き、ダンスを習得するには体を動かす運動神経以外にも五感をフルで使い、リンクさせる必要があります。
動きを見て真似をする、人と動きを合せる、などの協調的な面もあるため、さまざまな神経のつながりを作ることができるでしょう。
ダンスは中学体育の授業でも取り入れられているので、一度経験しておけばやったことがあるという自信につながります。また、全身運動、有酸素運動でもありますので、総合的に考えても子供時代に体験しておきたい運動系の習い事です。
バイオリン
幼少期から始める音楽系の習い事の代表とも言えるバイオリン。音がきちんと出るようになるまでに時間がかかる楽器のため、根気強く取り組み続ける忍耐力が必要になります。
目に見えるもの、興味があるものに飛びつく幼少期という時期から、音感を鍛え、音を奏でることに意識を集中していくことは、プロの演奏家にならなくてもその後の人生に必要なスキルが備わっていきますね。
集中する訓練に加え、自分の理想の音を追求していく作業、つまりトライ&エラーを繰り返すことは、社会に出てからの必須スキルといっても過言ではないでしょう。
バイオリンを習う=演奏家になるという単純な発想ではなく、バイオリンと言う楽器を使うスキルから得られるものは、さまざまな神経回路にも刺激を与えることになりますよ。
陸上
陸上=走るというイメージですが、子供時代の陸上クラブは1つの種目に特化させることなく、オールラウンダーのように様々な種目を体験できます。
短距離走に始まり、ハードル、幅跳びや高跳び、年齢が上がればリレー、中・長距離走や砲丸投げなど人間にできるさまざまな動きを習得できると言っても過言ではないでしょう。
習い事で「走る」経験をしておくことで、運動会や体育の授業、鬼ごっこなどの遊びなどでも自信を持って参加することができるようになるため、子供時代におすすめの習い事です。
ゴールデンエイジ=子供時代は親子で体を動かし、たくさん遊ぶに尽きる!
子育てをする親にとって、子供の成長は何よりの宝物ですよね。その反面、子供のできない部分に目がいってしまい、あれもこれもと求めてしまいがちです。
勉強や運動など、すべてにおいてできることを求めてしまうのは、将来、子供が苦労しないための親の愛情でしょう。ただ口で「勉強しなさい」「運動しなさい」と言っても、なかなか思うように子供は動きません。
ゴールデンエイジ、つまり子供時代は親が子供と一緒になって遊び、体を動かし、さまざまな体験をしていきましょう。その方が結果として子供の人生にいい影響を与えるのであれば、ゴールデンエイジの時代をうまく使った方がいいですよね。