お絵かき教室や造形・工作教室など、子供の習い事としてアート教室は人気があります。しかし、芸術のことはよくわからない、アート教室では何が学べるのかわからないという方もいるでしょう。
今回は、子供のアート教室にはどんな種類があるのか、子供をアート教室に通わせることで、どのような効果があるのかということを含め、アート教室の選び方のポイントをご紹介します。
目次
子供のアート教室の種類やレッスン形式は?
まず、子供のアート教室にはどのような種類があるのかご紹介していきましょう。
- 絵画教室・・・お絵かき教室、水彩画教室、イラストなど
- 造形教室・・・粘土、陶芸など
- 工作教室・・・段ボール工作、紙工作、木工など
「アート」とは芸術のことですが、子供のアート教室という場合のほとんどは、絵画造形教室のことを指します。
色鉛筆やクレヨンで絵を描くお絵かき教室から、本格的な水彩画や油絵を扱う教室もあります。また、絵だけではなく、合わせて造形を教えてくれる教室もあります。
美術大学などでは、学生が主催する芸術教室が不定期で開催されており、単発~短期で終わるイベントとして大学生と一緒に制作に参加する、という手段もあります。
アート教室のレッスンパターンは、大きく分けて3種類あります。
毎回、自由な創作活動ができる自由スタイルのレッスン
先生がカリキュラムを決め、期間内で一定のスキルを身に付けられるレッスン
制作物の目的が決まっている短期レッスン
それぞれ簡単にご紹介します。
自由スタイルレッスン
自由スタイルのレッスンでは、レッスン時間内をフルに使って、子供の好きなものを作るレッスンです。決められたことではなく、自分の興味が赴くままに過ごしたい子や落ち着きがないと言われるタイプの子は自由スタイルのレッスンが合っています。
カリキュラムレッスン
アートのスキルを身に付けさせたい場合は、目的に合っているカリキュラムを実施している教室がおすすめです。
アート教室に行ってみたいが、何をやったらいいのかわからない、総合的にアートのスキルを身に付けたいという子は、こちらのレッスンスタイルが向いています。
続けることで、学校の図工や美術の授業でも、大きな成果を感じる事ができます。
制作物の目的が決まっている短期レッスン
アート教室での単発イベントや美術大学でのイベント、また夏休みなどの長期休みにだけ実施される短期レッスンもあります。
1回2時間以内で終わるレッスンから、1か月、3か月などの短期間で終わるものまであります。
制作する目的が決まっているので、子供が興味を持ったものにだけ参加できるというメリットがあり、比較的気軽に参加できるという点で満席になるコースも出るくらい人気のレッスンです。
では次に、実際に子供にアートを習わせてみようと思った場合、通える教室はどのような種類なのでしょうか?
- カルチャー教室
- 工房などの専用教室
- 自宅兼アート教室
- 美術大学の一室
それぞれ簡単にご紹介します。
カルチャー教室
いくつもの部屋で多数のレッスンを日々行っているカルチャー教室。アート教室だけでも数種類の教室が選べるところが大きな魅力です。
通える時間や曜日を選べる、レッスン料金が比較的安いというメリットがあります。
専用アート教室
アート教室として使われている教室。工房のようなイメージですね。アート専用の教室なので、使われる机や椅子、専用の画材などがあり、用具をレンタルできる教室もあります。
より、レッスン料に差が出ますが、より専門的で本格的な環境でレッスンが行われるというメリットがあります。
自宅兼アート教室
先生の自宅で行っているアート教室です。先生の自宅ですので、個人レッスンを引き受けてもらうことができたり、レッスンの振替をしてくれたりする先生もいます。
レッスン内容も決まっているものから自由なものまで、生徒に合わせて指導してくれる先生が多く、レッスン自体に自由がきくところが大きなメリットです。
ただし、先生が専門として教えるアートのみになるので、習いたいアートが違う場合は、他の教室を探す必要があります。
次に、アート教室に通う場合、画材や用具はどのように準備すればいいのでしょうか?アート教室に通う時の用具のパターンをご紹介します。
画材や用具については、教室・先生によりさまざまなパターンがあるというのが現状です。また、画材や用具も100円ショップで買えるようなものではなく、画材ショップで買った方がいいものも多く、先生の指示に従った方が結果的に良かったという例も多くあります。
入会金に画材用具代が含まれているパターン
カリキュラムレッスンを行っている教室の場合、入会金で最低限の画材や用具などを揃え、先生が指定したものを使ってレッスンが行われます。
描き方や筆の使い方、紙の違いなど、細かなスキルを身に付けられるため、初期費用は高めですが自分で買う手間や選ぶ手間がないというメリットがあります。
教室で貸し出してくれるパターン
親としてはとてもありがたい制度です。自分専用ではないということがデメリットになるのかもしれませんが、自分専用の用具で本格的にアートを習っていきたい子供以外は、レンタルがおすすめです。
画材や用具は、絵の具1個、筆1本とっても高いものは本当に高いので、費用がかさむことがあります。
本格的に習ってスキルを身に付けたい場合であれば、躊躇なく買うことはできますが、そこまで本気じゃなさそうと親が感じている場合は、その費用を負担に感じてくるかもしれません。
そのような場合は、画材や用具を貸し出してくれる、自由に使っても良いという教室を選びましょう。
全部自分で購入するパターン
先生に指定してもらった画材や用具自分で購入します。画材も用具も、似ている見た目でもかなり細かく分かれていますので、品番・型番のようなものまでしっかりと指定していただくことをおすすめします。
子供をアート教室に通わせる効果とは?
アート教室の様々な種類がわかったところで、習い事としてアート教室に通うと子供にとってどんな効果があるのか?をご紹介します。
未だロボットには真似できない人間の手の感覚
人間は、生まれた時からさまざまな感覚を使っています。いわゆる五感というものですね。アートは、目でみて、耳で聞いて、においを感知して、手の感触で表現をします。(食べ物のアートであれば、味覚も使いますね。)
五感のうちの4つをフル活用するため、「アートに触れること=感性を磨く」という表現もあります。
AIの進化が進む中、現時点では人間の感触の部分をロボットで完全に再現することは出来ていないそうです。
目でみて力加減をすることは出来ても、触った感触で力加減を調整することは進化中ということです。
それだけ、私達の皮膚から入る情報は、数多くの神経回路を通り、様々なデータを処理しているのでしょう。
そのような点から考えると、確かに多数の神経に影響を与えているという意味で、様々な感性に刺激を与える、ということになり、感性を磨くことにつながりますね。
感性を磨くことのメリット
では感性を磨くということは、どのようなメリットがあるのでしょう。
「感性」という言葉ではうまく表現できませんが、要するに「気づく」ということにつながります。無意識で「気づく」(感知する)ということも含めると、感性を磨くと、世の中の様々なことに気づけるようになります。
人の表情や季節の移り変わり、目には見えにくい社会の流れまでを目で見えるアートにして表現することができる。
仕事であっても人とのコミュニケーションであっても「気づく」ことから始まりますので、感性を磨いておくことは、子供の将来にとっても大きなメリットがあるということになります。
学校で一目置かれることの心理的メリット
絵や工作が上手いと、学校でも一目置かれる存在になります。習い事に通うということは、趣味や得意分野ができるということでもありますね。それが学校の教科に反映されるものであれば、尚の事、友達との差が目で見えてしまいます。
ちょっとした優越感を持てることは、学校の授業参加へのモチベーションにもつながりますし、自分の居場所にもなります。
間接的にプログラミング思考を身に付けているという裏の効果
2020年から小学校でもプログラミング学習が導入されることが決まっています。
「プログラミング的思考」というと難しく感じますが、要するに論理的に物事を考える力、ということです。
アート教室で制作をするということは、何かしらの目的を達成するために、何をすればいいのかを考え、一つ一つ積み重ねていくということ。
うまくいかなかった場合、うまくできた場合、間接的ではありますが、論理的思考を持って目的達成までのプロセスを踏んでいくという意味で、プログラミング的思考が鍛えられます。
また、地道に自分の理想を追い求め没頭することで、集中力、忍耐力もつき、完成した暁には壮大な達成感を感じることができます。
アート教室で没頭する時間が子供を大きく成長させる
アート教室では、さまざまな作品を作ることが主な作業です。
作品は、目で見て評価しやすいため、親や先生など周りからも認められやすく、子供の自己肯定感UPにつながっていきます。
自分の手の感触で作っている作品は、自己表現だけではなく、集中し没頭することで、周りの音や情報などの刺激を忘れ、自分だけの時間を過ごすことができます。
子供時代、どれだけ自分の時間を好きなように過ごせたのか、やってみたいことをどれだけやり切れたのか、という体験がその後の人生の大きな糧になります。
そんな時間を過ごす事ができる場所が子供の「アート教室」です。
我が子の感性をもっと育ててあげたいなと思っている方は、アート教室の習い事を検討してみてはいかがでしょうか?