共働き世帯にとっての困りごとの一つは「習い事をどうするか」です。
子供に習い事をさせてあげたいけど、親にとって大きな悩みになってしまうのが「送り迎え」の問題です。
特に子供が小さく、送迎のスクールバスがなかったり、一人で公共交通機関を使って通学できない場合、親のお迎えが必須になってしまいます。
共働きの家庭にとっては、子供のお迎えは深刻な問題ですよね。
そこで今回は、共働き世帯の習い事問題を解決する方法や、親のお迎えが要らず、子供一人でも自宅で気軽に学べる習い事を厳選してご紹介します
目次
共働き世帯はどれくらいいる?
共働き世帯は年々増加の一途を辿っています。
政府が行った調査によると、2019年時点で共働きは1245万世帯。ここ10年で一気に専業主婦が減り共働きの割合が増えてきていることがわかります。
(出典元) 独立行政法人 労働政策研究・研修機構「専業主婦世帯と共働き世帯」
さらに2015年の国勢調査によると、共働き世帯のうち68.4%が子供がいる家庭です。つまり、専業主婦世帯であろうが共働き世帯であろうが子供がいる家庭の割合はほぼ変わらないことになります。
共働きをしながら子育てもする家庭はこれからもどんどん増えていくかもしれませんね。
どれくらいの家庭が習い事をさせているか?
学研教育総合研究所の白書によると、まだ未就学の幼児では56.8%が習い事をしています。つまり、二人に一人以上が習い事をしていることになります。(このデータでは、共働き世帯以外も含む)
小学生では78.7%と、四人に三人以上が習い事をしていることになります。
費用にすると平均して、幼児では月1万円程度、小学生では月1万5千円程度かけているようです。費用から考えるに、1つか2つの習い事をしている家庭の割合が多いことがわかります。
(参考)学研教育総合研究所「幼児白書」2019年
(参考)学研教育総合研究所「小学生白書」2020年
共働き世帯が子供に習い事をさせたい時の解決法
共働き世帯が子供に習い事をさせたいけどできないと悩むことは多いようです。
そして、その大半の理由は仕事で送り迎えができないことによります。
ここでは、共働き家庭が子供に習い事をさせたいときに考えたい方法をいくつかご紹介します。
解決法①土日に習い事に通う
ママパパの仕事が平日フルタイムの場合は、土日のどこかを習い事に当てるのが現実的です。
スポーツ系であれば土日に開催されることが多いので問題なく探すことができるでしょう。
しかし、ピアノ、英語などのお勉強系文化系の習い事は平日に設定されている所も多く希望に合わないことも多々あります。その時は他の方法を検討しましょう。
解決法②周りと協力する
妻と夫で仕事時間が異なるのであれば、空いている方が習い事の送迎をする、曜日と時間帯によって家事の役割分担をすることが大切になってきます。
もし近くに祖父母がいるならば、時間を限定して協力をお願いするなど、一人で抱えないようにしましょう。
もしくは近くに住むママ友パパ友がいるならば、同じ習い事に通い交代で送り迎えをするケースもあります。
もし助けてもらえる人が周りにいるならば、協力をお願いしましょう。
解決法③個人レッスンやオンライン学習を活用する
集団で行う教室タイプでは日程が固定されていることが多いですが、個人レッスンや家庭教師などでは、比較的時間に融通がきくことも多いです。
仕事の時間が毎週不定期で変わっていく、などの場合は特に、こちら側の希望で自由に時間を設定できるタイプの個人レッスンを探すのがおすすめです。
また、最近ではオンライン学習も様々増えてきており、そこにコロナ禍の影響もあってますます人気になってきています。
まだ小さい子供でもオンラインを使って自宅で習い事をすることも当たり前になりつつあります。
通信教育やオンライン個別レッスンなど、時間と場所に縛られないものがほとんどなのでぜひ検討してみると良いでしょう。
解決法④自分で通わせる
年齢にもよりますが、思い切って自分で通わせるのも一つの手です。小学校低学年でも一人でバスで通っていたりするケースもあります。
ただし、この場合は、「家の近所に限定して習い事を探す」「最初は一緒に行って慣らす」「何かあった時のために携帯を持たせる」など注意が必要です。
もしくは、送迎付きの習い事を探すのも一つの手です。塾や英語系に多いようですが、専用の小型バスや車で自宅と教室の送り迎えをしてくれる教室もありますので近くにあるか探してみるとよいでしょう。
解決法⑤短期プログラムに参加する
定期的に通うことが現実的に難しそうであれば、短期プログラムを探すのも一つの手です。
夏休みや冬休みに短期集中で行っているもの、ショッピンモールや文化センターなどで1日完結形でやっているイベントなどを探してみましょう。
子供というのは非常に吸収力の高い時期ですので、たった数日の体験でもグンと成長することがあります。
解決法⑥送迎サービスを利用する
最近では、共働き世帯向けの送迎サービスが多々出てきています。
ベビーシッターの送迎サービス、タクシー会社がやっている子育てタクシー、行政がやっている子育て支援の送迎サービス、などです。
まずは自分が住んでいるところでどんな送迎サービスが利用できるかを見てみましょう。
ただし、当然お金がかかります。一度始めたら固定費として毎月かかることになりますので、いくらまでなら許容できるかは事前に決めておきましょう。もちろん、利用する場合は安全性もしっかりと確かめてください。
共働き世帯が子供に習い事をさせるメリット・デメリット
共働き世帯のママパパが子供に習い事をさせることのメリットとデメリットをみていきましょう。事前に起きうることを知った上で対策を考えていきましょう。
メリット① 共働き世帯でも子供に沢山の経験を与えられる
共働きだからといって、習い事を諦める必要はありません。実際に、共働き世帯のママパパで習い事に通わせたことのある人は、ほとんどの方が口を揃えて「通わせてよかった」といいます。
子供に好きなことをさせたい、本人がやりたいと言ったことはやらせてあげたいという親は多いでしょう。
習い事に通い始めて、体力がついた、目に見えて成長した、楽しそうに通うようになった、など習い事で得られるメリットはやはり計り知れません。
メリット② 自立が早まる
両親が忙しいことはデメリットばかりではありません。まだ小さい子供であっても、子供は子供なりに環境に上手に順応していきます。
忙しい中でもなんとかやりくりをして習い事に通わせていく、そんな親の背中をみて、子供も「ママパパは一生懸命仕事をしているから」ということをなんとなく理解してくれるようになるはずです。
それは、本人の「自立」を促します。むしろ、しっかりしていくのが早まることもあります。
デメリット① 貴重なパパママとの時間が減る
デメリットの中で気をつけたい筆頭は、せっかくのパパママとの時間が減ることです。
家族が揃ってゆっくりできるのは日曜日だけ。せっかくの一緒に過ごせる時間に毎週習い事を詰め込むことが必ずしも良いとは限りません。
各家庭によって状況は異なるでしょうから、一緒に過ごせる時間がどの程度確保できるのか、子供にさみしい思いをさせないか、という視点を忘れずに持っておきたいものです。
デメリット② こども本人が疲れる
お子さんの年齢が幼児なのか、小学生なのかにもよりますが、ママパパが働いている間、保育や学童などに長時間預けている家庭もあるでしょう。
特に平日に習い事を入れる場合は、子供本人が疲れすぎていないかをチェックしましょう。
また、ママパパが疲労しないことも重要です。習い事にかかる労力がどれほどになるのかをできるだけ事前に調べて予測しておきましょう。
送迎や習い事のサポートにどんなことが必要になってくるかは、習う分野によって変わります。家族が無理なくスケジュールを組むことができるように、現実的な目で習い事を決めていきましょう。
また、習い事を始めたあとも、できるだけ家族が余裕を持って毎週を過ごせるように、日々の生活パターンや、時間の使い方を最適化していくことも大切です。
デメリット③ 費用がかさむ
いうまでもなく、習い事にはお金がかかります。
特に共働きの場合は、ママパパの仕事の時間を減らしたり、送迎サービスを使用したり、習い事の日は外食になったり、などなど費用がかさんでいく場合も少なくありません。
習い事を始めるとどれくらいの費用がかかっていくのかは、事前にシミュレーションしておきましょう。
「子供にやらせてあげたいこと」と「それにかかる労力や費用」を天秤にかけて、ベストな習い事の仕方を見つけていく必要があります。
共働きにおすすめの習い事3選
ここからは、共働き家庭でも無理なく続けられるおすすめの習い事をいくつかピックアップしてご紹介します。
共働きにおすすめの習い事①オンライン英会話
自宅で出来る習い事として今人気が急上昇しているのが「オンライン英会話」です。
小学校での英語の必修化が決定し、これまでよりも早く英語を習わせようと考えているお家が増えています。
また、オンライン英会話は、これまでの通学制の英会話スクールに比べて、料金が安いのも魅力です。
オンライン英会話は、「スカイプ」の無料通話を使用し、「マンツーマン」もしくは「グループ」でレッスンを受けることができます。
レッスン料金は月額制もあれば、チケット制で都度払いが出来るスクールもあります。
レッスンは好きな時間や日時を選択でき、同じ講師をリピートしても良いし、毎回変えても問題ありません。
オンライン英会話では、欧米のネイティブ講師もいますが数は少なめ。
料金の安さを売りにしているオンライン英会話では、フィリピン人講師が多いです。
または、子供向けに展開しているオンライン英会話では、日本人講師の場合もあります。
欧米のネイティブじゃないと不安に感じてしまう保護者もいるかもしれませんが、明るく陽気なフィリピン人講師は子供のオンライン英会話ではとても人気があります。
子供も初めて挑戦する英会話で緊張しているため、子供の扱いが上手く相性が良い先生をも見つけることが重要です。
いくらネイティブであっても子供との相性が悪かったり、子供の扱いが下手な講師だと、子供が習い事を嫌がるようになってしまう可能性があります。
どこのオンライン英会話でも、講師の簡単なプロフィールが掲載されているため、子供と相性が合いそうか参考にしてみましょう。
また、無料で体験ができる所も多いのでまずは気軽に試してみるとよいでしょう。
オンライン英会話を受講するには、「パソコン」「ネット回線」「ヘッドセット」が必要になります。
最初の1、2回は、最初の10分くらい親がパソコンの横でサポートする必要がありますが、慣れてくれば子供一人でも十分できるようになります。
送迎が不要で、好きな時間に受けることができるので、自宅で楽しく英会話を学んでいる子供はどんどん増えています。
共働きにおすすめの習い事②オンラインプログラミング
英語と同じく小学校での必修化が決まった「プログラミング」もオンラインで学習することができる習い事です。
オンラインプログラミングは、月2回もしくは月4回のコース設定が多く、必要に応じてレッスン回数を増やすことができるスクールもあります。
オンラインプログラミングのレッスンは、「マンツーマン」と「グループ」から選択することが可能です。
マンツーマンの場合の相場は、月2回なら6千円前後、月4回なら1万2千円前後です。
グループの場合の相場は、月2回なら4千円前後、月4回なら8千円前後かかります。
オンラインプログラミングでは、例えば「スクラッチ」というプログラミング言語を使用し論理的な思考を養います。
簡単なパソコン操作で、小さな子供でもゲームやアニメが作成できるのが特徴です。
早期幼児教育の習い事に興味がある人には、小学校の入学前からプログラミング対策ができる未就学児コースもおすすめです。
オンラインプログラミングを受講するためには、「パソコン」「ネット回線」が必要になります。
オンラインプログラミングは、基本的に子供だけの受講で問題ありません。
しかし、オンラインプログラミングの初期設定は、子供だけで対応するのが難しいため、最初は保護者が近くでサポートする必要があります。
子供がオンラインプログラミングのレッスンに慣れてくるまでは、子供一人だけでレッスンを受けさせるのは避けましょう。
特にパソコン操作については、オンラインプログラミングに参加する前に、最低限いじらせておくことでよりスムーズになります。
子供がパソコンのような機械の操作を苦手としている場合は、特に親の最初のサポートは必須です。
不意にボタンを押してしまい画面が急に切り替わったり、色々なトラブルを起こした時に、フォローできる大人がいないと子供は習い事を諦めてしまう可能性があります。
そのため、オンラインプログラミングに挑戦する場合は、親が側でフォローできる状態であることが望ましいです。
共働きにおすすめの習い事③通信教育
学校の授業についていくため「基礎学力」を高めたい子供におすすめの習い事が「通信教育」です。
通信講座の種類や学年によって料金は異なりますが、一般的に月々4千円~8千円前後で主要教科をカバーできます。
通信講座のレッスン方式は、「紙」や「タブレット」など。
タブレット学習の場合は、通信講座の指定したタブレットを購入しないといけない場合や、自前のタブレットでも対応できる場合があります。
通信講座によってシステムが異なるため、契約前にしっかり確認しておくようにしましょう。
紙学習は昔ながらの王道で、しっかり描いて覚えることが出来るのが魅力です。
紙学習は手書きが基本となるため少し手間がかかりますが、受験でも本番は紙ベースなので、試験当日でも勉強スタイルが変わらず落ち着いて問題を解くことができるでしょう。
タブレット学習は、ゲーム感覚で勉強できるため子供には人気の学習方法になっています。
紙学習では教えるのが難しい英語の「リスニング問題」や、算数・数学の「図形問題」などが理解しやすく作られているのが魅力です。
ただし、タブレット学習は記憶頼りで「うろ覚え」になってしまうケースもあります。
紙もタブレットも一長一短がありますので、子供の性格を考えて、好きな方を選ばせてあげるのがおすすめです。
通信講座は、送られてくる教材やタブレットがあればすぐにでも勉強を始めることができます。時間も場所も選びませんので、共働き家庭でも負担が増えずおすすめです。
タブレットは操作が簡単なので、親がいなくても安心な習い事です。
通信講座のレベルは、一般的に「学校の教科書の範囲内」を想定しているため、基本問題が多いのが特徴。サービスによっては「お受験」に対応している所もあります。
量も1日15分〜30分くらいなので、勉強がよく出来る子だけでなく、あまり好きじゃない子にもおすすめ。
ただし、デメリットとして、通信教育はいつでも学習できる分、怠けてやらなくなることも往々にしてあるので、勉強のスケジュール管理だけは親がチェックしてあげるのがおすすめです。