【2020年必修化】小学校プログラミング教育とは?いったい何の言語を教えるのか

プログラミング

小学校の新学習指導要領が2017年3月に公示され、2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修となりました。2017年度は「周知・徹底」の期間、2018~19年度が「移行期間」、2020年度から「全面実施」と定められているため、すでに導入されている小学校もあります。

しかし、親御さんの多くはプログラミング言語にあまり馴染みがないのではないでしょうか。

ここでは、

・そもそもプログラミング言語とは何なのか
・なぜ小学校でプログラミング教育をする必要があるのか
・小学校で教えるプログラミング教育の内容とは
・家庭ではどのような指導を行えばよいのか

について詳しくお話ししたいと思います。

プログラミング言語とは?

プログラミングとは、人間が意図した処理を行うようにコンピュータに指示を出すことを言います。

たとえば、最新型のエアコンの多くには、部屋の状況を感知して最適な動作モードを自動で選択する機能が搭載されています。

この時、「湿度が60%以上の場合には『除湿』モードで運転する」といった指示をエアコンに搭載されているコンピュータに与える必要があります。

しかし、コンピュータは日本語を理解できません。そこで、コンピュータが理解できる「コンピュータ言語」を使用します。

プログラミングといえば、「真っ黒なパソコン画面に入力された文字列の羅列」を想像する人もいるのではないでしょうか。あの時に使われているのがプログラミング言語です。

この「コンピュータ言語で用いて指示を出す」ことがプログラミングです。

文科省等の関係省庁と学校関係者、自治体、教育やITに関わる民間企業で設立された組織である「未来の学びコンソーシアム」によると、世界的に見てすでに90%の職業において基礎的なITスキルが必要であるとされています。

IT化が進んだ現代においては、あらゆる職業においてコンピュータが欠かせないため、コンピュータを動かすための仕組みである「プログラミング」は必要不可欠な知識となっています。

小学校でのプログラミング教育は本当に必要なのか

コンピュータとコンピュータを動かすためのプログラミングの知識が現代社会では必要不可欠だとしても、「小学校から教える必要があるのか」と思われる方も少なくないと思います。

小学校でのプログラミング教育必修化の背景として、日本における「IT人材の不足」とそれによる「国際的な競争力の低下」があげられます。

IT人材の確保は日本だけでなく世界各国の共通の課題であり、欧米諸国を中心に小学校でのプログラミング教育を充実させる流れにあります。

たとえば、国民の権利として「インターネットに接続する権利」が保証されているIT先進国のフィンランドでは、2016年から小学校でのプログラミング教育の必修化が行われています。

また、オンラインコミュニケーションツールとして広く普及している「Skype」の発祥国であるエストニアでは、マイクロソフト社の支援により2012年からすでに小学校でのプログラミング教育が実施されています。義務教育の中で、本格的なプログラミング言語が教えられており、優秀な人材を多く輩出しています。

(参考元:諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究報告書文部科学省)

一方、経産省の調査では、日本では2020年にはすでに37万人のIT人材が不足するとされており、2030年にはその数は59万人まで増えるという結果が出ています。

これからの国際的な競争力の維持のためには、現社会人だけではなく、10年後の日本を担っていく子どもたちに今のうちからITに触れてもらい、将来的にIT人材を広く確保していかなくてはならないのです。

そうは言っても、小学校でいきなり前述した「プログラミング言語」を教えるわけではありません。

本格的なプログラミング言語の学習は、少なくとも中学校から行われ、小学校ではプログラミングを行う上で必要な「思考力」を養うことが主なねらいとされています。

小学校で教えるプログラミング教育の内容とは

先述の通り、小学校では、本格的な「プログラミング言語」そのものを学ぶわけではありません。

「未来の学びコンソーシアム」では、小学校でプログラミングを必修とする目的として次の3つをあげています。

① 「プログラミング的思考」を育むこと

② プログラムの動きや良さ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気づくことが出来るようにするとともに、コンピュータなどを上手に活用して身近な問題を解決したり、より良い社会を築いたりしようとする態度を育むこと

③ 各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものとすること

なかでも、①にある「プログラミング的思考」を育むことが最も重要な目的であると言えます。

プログラミング的思考とは、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考のことを指しています

また、「児童が『コンピュータを活用して』自らが考える動作の実現を目指して試行錯誤を繰り返す『体験』が重要」とも記されており、授業の一環として実際にコンピュータを使用することが念頭に置かれています。

実際の授業で行われるコンピュータを使用した学習内容の一例として、テキストを使わずにオブジェクトを使ってプログラムを組む「ビジュアルプログラミング」があげられます。

・ビジュアルプログラミングの一例(子ども向けプログラムソフト「Scratch」)

Scratch(スクラッチ)とは、もともと用意されているパーツを組み合わせてプログラムを組んでいくことができるもので、パズルのような感覚で視覚的に学べるものです。

ここで一つ注意したいのは、新たな科目としてプログラミングが増えるわけではないということです。

算数や理科と同じように「プログラミング」という授業ができるわけではなく、各科目を学習するなかでプログラミング的思考を活用します。

また、あくまで学習法としてプログラミングを行うだけなので、プログラミングの能力そのものに対して成績評価することもありません。

「未来の学びコンソーシアム」では実施事例として、下記のようなものもあげられています。

・算数:「第5学年」B 図形(1)正多角形
正多角形の性質を理解し、ビジュアルプログラミングを利用して正多角形を描く

・理科:「第6学年」A 物質・エネルギー(4)電気の利用
電気の量や働きに注目し、ビジュアルプログラミングを利用してモーターなどを実際に動かすことを体験し、効率よく電気を使う方法を考える

つまり、スキルとしてプログラミング 言語そのものを本格的に学んでいくというよりかは、様々な場面においてあくまで「プログラミング 的思考」を養うことに力点が置かれることになりそうです。

プログラミング言語に詳しくなくても大丈夫!家庭でできる対策は

小学校で学ぶプログラミング教育において大切なのは、プログラミング言語をできるようになることではなく、そのために必要な「思考力」を学ぶことです。

ですので、プログラミング言語に詳しくなくてもサポートすることはできます。最近では、様々なプログラミング教材が出ていますのでそれらを活用するのも一つの手です。

子どもたちが試行錯誤を繰り返しながら考えることを重視し、親は正解を教えようとするのではなく、正解にたどり着く手助けをする程度にとどめることが望ましいでしょう。

また、プログラミング的思考を学ぶためには、ご家庭で専用のソフトを用意する以外にも様々な方法があります。

たとえば、パソコンやタブレット、スマートフォンといったコンピュータを実際に用いない、「アンプラグド」と呼ばれる方法でも学ぶことは可能です。

プログラミング的思考を養うのに実際に小学校で使用されている教材や学校外での学習の場をご紹介します。(いずれも、「未来の学びコンソーシアム」から抜粋してご紹介)

・アンプラグド教材

アンプラグド教材の一つとしてご紹介するのは、「ルビィのぼうけん」です。これは、フィンランドのプログラマー兼作家兼イラストレーターであるリンダ・リウカスによる子ども向け絵本シリーズ(対象年齢5歳~)です。20カ国以上で翻訳されており、日本語訳を手がけたのはプログラマー。

シリーズ第一弾『ルビィのぼうけん こんにちは! プログラミング』は、パソコンやタブレットなどを使わずに、プログラミングに必要な基本知識を身につけることができます。

絵本の前半はルビィが主人公の物語、後半は前半に基づいた練習問題という二部構成。絵本の中に、いわゆる「コード」は一文字も出てこず、物語と練習問題でプログラミングに必要な考え方を体験することを目的としています。

・無料プログラミングソフト

無料プログラミングソフトの一つとして紹介するのは、Scratch(スクラッチ)です。これは、アメリカ・マサチューセッツ工科大学のメディアラボが無償で公開しているビジュアルプログラミング言語です。

画面上のブロックをつなぎ合わせてプログラムを作リマス。日本語でも使用可能。主にマウスを使用するため、キーボード操作に不慣れな小学生でも利用することができます。

また、GLICODE(グリコード)というのもあります。グリコードは、子どもたちに身近な「お菓子(ポッキー)」を使ってプログラミング学習ができる無料アプリ(iOS用・Android用)です。小学校低学年でも使用できます。白いシート上にポッキーを縦に置いたり斜めに並べたりと、その並べ方が命令となって、キャラクターの動きを制御します。

他にもオススメのプログラミング教材やソフトを知りたい方へ。オススメの記事はこちら。

・体験イベント

「未来の学びコンソーシアム」のウェブサイト上で、同組織が後援する体験イベントが紹介されています。

プログラミング体験イベント一覧
https://miraino-manabi.jp/event/list

小学校プログラミング教育とは?いったい何の言語を教えるのか・まとめ

今回は、小学校のプログラミング教育についてご紹介しました。

本格的なプログラミング言語を教えるのではなく、もっと根本的な力である思考力や発想力を身につけたり、問題解決のプロセスを考えたりする総合学習のような形で進められそうです。

プログラミングの試験ができるわけでもないので、親が「学校のプログラミング学習に付いていけないのではないか」と心配する必要はないでしょう。小学校では、今の時代にあったダイナミックな学習が行われることでしょう。

今後ITスキルが重要な一つの力になっていくことは間違いなさそうです。

2020年の小学校プログラミング教育の必修化に向けて、家族皆さんで「プログラミング」について学習してみてはいかがでしょうか。

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ララボ編集部では、子どもたちの習い事に関する情報を執筆しています。「子どもたちの将来の選択肢が広がる」ことをミッションに活動しております。

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